ブランド、値段だけで選ぶ消費者はますます減少
これまでのビジネスは「大手が有利で、中小企業が不利」という構図の上に成り立ってきました。しかし、これからはこの構図が崩れていくだろうと私は予測しています。なぜなら、選ぶのは〝賢い〞消費者だからです。
いくつかの選択肢があった場合、どの会社の商品・サービスを選ぶかを決める主導権は、消費者が握っています。今の消費者は企業側が思っている以上に賢いですから、これまでのようにブランドだけで選んだり、値段だけで選んだりといったことは、ますます少なくなっていくでしょう。
実際にそうした動きは、リフォーム業界でも起こっています。
住宅建築業界は、数年前までは大手ハウスメーカーやリフォーム会社が幅を利かせており、そのブランド力だけで受注が取れていました。お客様も、家を建てた会社だから安心ということで、ほぼ言い値でリフォームをすることが当たり前の時代でした。大手のリフォーム会社も比較的単価が高い水回り工事や外装工事などは対応するものの、細かなリフォームやメンテナンスなどのアフターフォローには消極的でした。
しかし、時代が変わり、政府の施策や環境問題(スクラップアンドビルド)、欧米諸国と比べた住宅寿命の短さなどの様々な観点から、割安感のある中古住宅を購入しリフォームして自分スタイルの快適な環境に変えつつ、住宅そのものの寿命を延ばすことが注目されています。
その大きな流れの中で、大手メーカーも簡単には新築物件の受注が取れなくなり、リフォーム分野にも参入してくるようになりました。これまではリフォームを得意とする「工務店」と、新築を得意とする「ハウスメーカー」とですみ分けができていたのですが、今はその境界もなくなってきています。私どものような小さな工務店は、大手を相手に戦っていかねばなりません。
消費者の希望・要望を叶え、アフターフォローも
しかし、実際に大手に仕事がとられているかといえば、むしろこれまでよりも受注が増えています。これはひとえに「消費者の選ぶ目」によるところが大きいと思います。
自分の希望や要望を叶えてくれる、コストパフォーマンスがいい、アフターフォローまでしっかりやってくれる・・・そうした会社はどこなのか、消費者はよく知っています。
私たちが消費者たちに選んでもらえているのは、この連載でお話ししてきたような「新規顧客を惹きつける仕組み」や「ヘビーリピーターに育てる仕組み」があるからです。