営業そのものへの警戒心が強い、最近の消費者
前回の続きです。
とはいえ、小さな会社はネームバリューもありませんし、お金をかけて大がかりな宣伝を打つのもハードルの高いことです。そこで、どうやって自社の存在を地域の人に知ってもらえばいいかという問題が出てきます。存在を知ってもらえないと、どんなにいいサービスを提供していてもお客様には届きませんので、ないのと一緒です。
今の消費者はこちらが思う以上に賢く、目が肥えています。インターネットなどでいろいろな情報を集めることができるため、価格やサービスの比較などの点でもシビアですし、詐欺や押し売りなどのニュースにも敏感で、営業そのものに対する警戒心が強くなっています。これまでの飛び込み営業のパターンでは選んでもらえないどころか、毛嫌いされてしまうのです。
参考になるのは、主張の穏やかな「インフィード広告」
一方、現在、広告媒体の主流の一つであるインターネット広告の現状を見ると、消費者の営業に対する意識の変化が見えてきます。かつてはインターネットではディスプレイ広告が主流でした。サイトのページを開くと、その一角に広告が表示されるタイプの広告で、見た人は明らかに「広告だ」とわかります。すると、「広告はウザったいから見ない」と避ける人がいて、宣伝効果が得にくくなります。
そこで、最近はインフィード広告へとシフトする企業が増えてきたそうです。インフィード広告とは、掲載されるページのフォーマットを踏襲した広告で、一見すると広告なのか、一般の記事なのか見分けがつきにくいデザインになっています。TwitterやFacebook、InstagramなどのSNS上で多く見られます。広告を他の記事と馴染ませることで自然に見せ、広告としての主張をマイルドにしているのです。
このようにインターネットの広告業界では、業者からの「押しつけ感」や「広告っぽさ」を嫌がる消費者に合わせて、広告の在り方を変えています。
同じような工夫はインターネット業界以外でも、あらゆる業種で必要になっているのではないでしょうか。消費者にとって違和感や抵抗感が少なく、受け入れやすい営業の仕方を模索していくことが大事だと思います。