弱肉強食のビジネスでは大手が有利になりがちだが…
今の日本は人々の消費意欲の低下と人口減少によって、”モノが売れない時代”になっています。限られたパイを大勢で奪い合い、その中で勝ち抜いていくという”弱肉強食のビジネス”では、どうしても資金力やネームバリューのある大手企業に有利になりがちで、中小企業はなかなか太刀打ちできません。
中小企業が新たに顧客獲得のチャンスを広げていくには、中小企業ならではの強みを活かして、独自路線で現状を切り拓いていく必要があります。
中小企業の「小回りが効く」特性を活かす
その強みとは、一つは「小回りが利くこと」です。会社組織そのものがコンパクトですから、新しい挑戦を始めるときに社員同士の意思統一が図りやすく、すぐに実行に移すことができます。つまり、いろんなアイデアを取り入れて、どんどんチャレンジすることができます。
組織が大きいと、こうはいきません。誰かがいいアイデアを思いついても、まず上長や幹部、上の者にお伺いを立てて承認をもらわなくてはなりません。同じ目標に向けて、多くの社員の心を一つにすることにも時間がかかります。部署内にライバルが多いと、やっかんで足を引っ張る者も出てくるかもしれません。組織が大きくなればなるほど、フットワークは鈍くなっていくものです。
フットワークを軽くするため組織を小さく分割し、各部の部長に権限を与えて動きやすくしている会社もありますが、「会社のビジネスモデルの根幹を変える」レベルでのチャレンジとなると、部単位で収まる話ではありません。会社ごと変えるには、やはり組織全体で心を合わせなくてはなりませんから、それだけ多くの時間を要します。
一方で、社長の強いリーダーシップがあれば、より強力なチームワークが生まれ、少人数でも大きな組織に負けないパワーを発揮することができるはずです。