パッとしない材料なら、8%上昇後にすべて売却を
売却の際には、暴騰のきっかけとなった材料の良し悪しに応じて、3つのパターンから最適と思われるものを選択して、売り注文を出しましょう。
まず、暴騰の理由が「パッとしない材料」の場合は、買値から8%もしくは10%上昇したら、すべて売却します。「8%上昇」と「10%上昇」のどちらで売却するかは、基本的には銘柄ごとに判断します。
東証1部の流動性の高い銘柄であれば8%アップで、新興市場銘柄や流動性の低い中小型株の場合は、値動きが激しくなるため10 %アップで売り注文を出すようにしましょう。
加えて、市場環境によって判断を変えることも可能です。日経平均がだらだら下げ続けていて、投資家心理が冷え込んでいるようなときにはあまり値幅が取れない可能性があるので、銘柄にかかわらず8%上昇で売ってしまってもよいかもしれません。
逆に、買い機運が高まって、あちこちでストップ高がポンポン出ているような相場のときは、東証1部の流動性の高い銘柄でも10%アップを狙ってもよいでしょう。
2つめの「しっかりとした材料」の場合は、半分はやはり買値から8%もしくは10%アップした価格で売り注文を出しておきます。残りの半分については、前日の「安値」を当日の「終値」で下回らない限り保有し続けます。もし、前日の安値を当日の終値が下回った場合には、翌日の寄付で売却します。
3つめは、「かなり期待される材料」の場合です。購入したすべての株について、前日の「安値」を当日の「終値」で下回らない限り持ち続けます。そして、終値が前日安値を下回ったら、翌日の寄付ですべての株を売却します。
この方法であれば、反発力が弱そうな銘柄はそこそこのところで売却して手堅く利益を確定し、一方、上昇が期待できるものは、最大限に値幅を確保することが可能です。
前日の安値を一時的に割り込んでも、売却判断は慎重に
ところで、なぜ前日の「安値」を当日の「終値」で下回らない限り、持ち続けてよいのでしょうか。
銘柄によっても異なりますが、反発中の株は日中大きく上げ下げしながら、上昇していくというケースがよくあります。そのため、前日の安値を一時的に割り込んだだけで売却の判断をしてしまうと、もったいない結果になる可能性が高いためです。
次の見開きでは、3つの売りパターンをまとめるとともに、ファーマフーズを例に実際に売り注文を出した場合の、売却益を計算してみましょう。
▶ 平均購入価格を計算する
ポイント: 何回かに分けて購入している場合は、必ず平均購入価格を出しておく
例:「500円で200株、475円で100株、450円で100株」の分散買いをした場合
(500円×200+475円×100+450円×100)÷400≒481円
平均購入価格は481円
▶ 材料に合わせて3 つの売りパターンから選ぶ
「パッとしない材料」の場合
機械的に平均購入価格の8~10%上昇で売り注文
「しっかりとした材料」の場合
半分:機械的に平均購入価格の8~10%上昇で売り注文
半分: 前日安値を終値で下回らない限り保有し、下回ったら翌日の寄付で
売り注文
「かなり期待される材料」の場合
前日安値を終値で下回らない限り保有し、下回ったら翌日の寄付ですべてを売り注文
[図表]ファーマフーズを例に計算