「3回買い」なら平均取得コストを下げることも可能
買い方の説明の前に、銘柄探しについて簡単に触れておきましょう。「高値抜き銘柄の新展開」に当てはまる銘柄は、「株式ランキング」の「値上がり率ランキング」で見つけられます。
「暴騰→調整→再上昇」という値動きの銘柄が対象ですが、ある程度の期間、継続的に値上がり率ランキングのチェックを続けていれば、「この銘柄は1カ月くらい前に暴騰していたから、『高値抜き銘柄の新展開』に当てはまりそうだ」と比較的簡単に見つけることができるかと思います。
条件に当てはまる銘柄が、前回の高値を陽線で明確に上抜けたのを確認したら、次の日に買いの注文を入れましょう。もちろん、おすすめは「分散買い」です。
銘柄にもよりますが、高値を抜けた後、翌日あるいは翌々日まではいったん下げる(押し目を作る)ことがあります。買値を3段階に分けることで、一時的に下げたところを拾って平均購入価格を下げることが可能になるのです。
投資資金の半分は、翌日の寄付で「成行」注文に
今回は、「成行」と「指値」の両方のやり方で注文を入れていきます。まず、投資資金の半分について、翌日の「寄付」で「成行」注文を入れておきましょう。この段階では、残り50%の資金については、まだ注文を入れません。
そして、翌日の寄付で注文が約定したら、今度は残りの資金のうち25%は「寄付価格×0.95」で、残りのもう25%は「寄付価格×0.9」でそれぞれ指値を入れます。2つの指値注文に関しては、期間は1〜3日間程度とします。
もし、下げずにぐんぐん上昇していった場合は、買い指値を取り消してその資金を他の銘柄に振り向けるか、もしくは上級者限定ですが、第5回で説明した「追撃買い」に切り替えて再度買い臨むことも可能です。
なお、新興市場の銘柄や流動性の低い中小型株では、高値を上抜けた翌日の寄付が、予想以上に高くなることがあります。そこで、新興市場銘柄や流動性の低い銘柄の場合に限って、寄付での成行注文ではなく、「前日終値×1・05(終値の5%アップ)」で指値注文を入れるとよいでしょう。指値より低く寄り付けば、寄付値で買えますし、高く寄り付いた場合は、その後若干下げて指値にタッチしたところで買うことができます。
以下の図表では、「高値抜き銘柄の新展開」の分散買いのまとめと、第12回のアスカネットを例に実際の銘柄で注文価格を計算してみましょう。
[図表1]3回に分けて指値買いの注文を入れる(300円の銘柄が1~2週間ほどで600円に暴騰。その後、1カ月程度の調整を経て、600円を上抜いて、610円で陽線で引けた場合の注文とは?)
●資金の50% 翌日の寄付で成行注文
615円(翌日の寄付で約定)
●資金の25% 615円×0.95≒584円
584円で指値買い注文(1~3日間程度)
●資金の25% 615円×0.9≒554円
554円で指値買い注文(1~3日間程度)
※新興市場銘柄、流動性の低い銘柄の場合は、翌日の寄付ではなく「終値×1.05」(610円×1.05 ≒641)で指値を入れる。
[図表2]アスカネットを例に計算
前回高値 8/5 3048円
9/11終値 3223円(終値で高値更新)
9/12の寄付 3298円
寄付×0.95 3133円
寄付×0.92 2968円
9月12日の寄付前に「寄付」で注文。寄り付いた後に、「寄付×0.95」「寄付×0.9」を計算して、1~3日間、指値で買い注文を入れる
※分割を考慮して、株価を再計算しています。