前回に引き続き、介護施設の見学時にチェックしたい「7つのポイント」を見ていきましょう。今回は、施設の理念や介護に対するスタンスを把握する方法を取り上げます。

事故やトラブルが起きた時の対応などを細かく聞く

前回の続きです。

 

■説明の丁寧さ

 

施設の契約内容を詳しく説明してくれるかどうかはとても重要です。

 

介護保険法では、施設の職員の配置状況や建物の概要、サービス内容など、費用の話も含めて重要事項として説明しなければいけないと定められています。

 

長期間にわたり高い費用を支払っていくのですから、事故やトラブルが起きた時の対応や、要介護度が上がったらどうなるのか、認知症が進行した時に退去を求められるかどうかなど、聞きづらいこともどんどん聞いておきましょう。

 

とくに費用は念入りに確認しましょう。「すべて費用に含まれています」という説明で済ませる施設もありますが、後でトラブルに発展しないように、どのような内容が含まれているのか一つひとつ確認することが大切です。

 

食費やおやつ、身の回りの消耗品などの費用も細かく確認してください。居住費や上乗せサービス(支給限度額を超えて提供されるサービス)の費用についても、内訳をきちんと説明してもらいましょう。

 

さらに看取りに対応しているか、自立支援をどの程度目指しているのかなど、施設の理念や介護に対するスタンスを把握しておくことも大切です。

 

[図表1]施設見学時のチェックリスト

必ず複数の施設を見比べ、気になる施設は再訪問

■気になった施設は再度訪問

 

ここはよさそうだという施設があっても、すぐに契約するのは避けましょう。再度訪問するとともに、ほかの施設とも見比べてください。初回の訪問時には見えなかった部分が見えてきたり、ほかの施設との違いが鮮明になったりします。

 

また、近隣の住民や商店の人などに声をかけて評判を聞いてみるのもいいでしょう。地域住民に対してオープンな施設は、「見せたくない介護を行っている」といった隠し事がなく、健全な運営をしていることが多いといえます。

 

[図表2]おおよその費用(自己負担額)の目安【1割負担の場合】

本連載は、2017年6月23日刊行の書籍『人生を破滅に導く「介護破産」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。介護保険サービスの金額は、社会福祉法人サンライフの金額を参考に記載しています。実際の金額は利用する施設などへお問い合わせください。本来、施設の種類によって「入居」「入所」と書き分けるべきですが、文章の分かりやすさに配慮し、すべて「入所」に統一しています。

人生を破滅に導く「介護破産」

人生を破滅に導く「介護破産」

杢野 暉尚

幻冬舎メディアコンサルティング

介護が原因となって、親のみならず子の世帯までが貧困化し、やがて破産に至る──といういわゆる「介護破産」は、もはや社会問題の一つになっています。 親の介護には相応のお金がかかります。入居施設の中でも利用料が安い…

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