本人の状態・家族の状況に合う介護保険サービスを選択
ここまで説明してきた通り、介護保険サービスにはさまざまなものがあります。
「介護が必要」イコール「即施設入所」ではありません。本人の状態や家族の状況にマッチした介護保険サービスを選び、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を保ちながら、経済的負担を抑えることが介護による破産を回避する唯一の方法です。
ここからは、よくある事例別に、どのような介護サービスが必要になるのか具体的に見ていきましょう。もちろん、100人いれば100通りのケアプランがあるといわれるように、あくまで一例ではありますが、介護保険サービスのイメージと選び方の参考にしてください。
突然要介護状態になった男性のケース例
<ケース1>突発的な病気で入院。要介護状態になった
ひとり暮らしをしていた父親が自宅で倒れ、一命はとりとめましたが右半身に片麻痺が残り、要介護1と認定されました。病院でのリハビリを経て、室内では歩行できるようになりましたが、屋外を歩くのは危険が伴います。
本人は自宅への復帰を望みましたが、息子は心配し、自分の家の近くへ転居してくるよう説得しています。しかし、息子の家は同じ県内ではあるものの、父親の家からは車で2時間ほど離れた距離にあります。無口でがんこなタイプの父親は、住み慣れた自宅から離れることに抵抗を感じており、また息子の世話になることもプライドが許さないようです。
[図表]ケース1の場合 父親(要介護1)のひとり暮らし
この話は次回に続きます。