ショートステイは「10連泊」の利用がお勧め
<ケース4>同居の父親(単身)の認知症が重症化(要介護3)
ケース3から重症化し、徘徊や問題行動が出はじめたら、デイサービスの回数を増やし毎日、日中はデイサービスで埋めてしまいます。この場合、食費も含めて介護費用の月額は6万円程度になります。
しかし、デイサービスから帰宅して、夜間に徘徊や問題行動が起き、家族が疲弊するという場合は、毎月10日程度ショートステイを利用してもらうという方法があります。
一般的に週末だけショートステイを利用し、家族のレスパイトケアをするという方法をとる家族が多いのですが、私は、毎月1日から10日までショートステイを利用というように、連泊してもらうことをお勧めしています。そうすれば、家族が頑張るのは20日間。毎月20日だけ頑張れば休憩できるという心の支えが、介護ストレスを軽減してくれるようです。
この場合、デイサービスの費用は食費を含めて3万円程度、ショートステイが5万円で介護費用の月額は8万円程度になります。
また、この方法をとる場合に小規模多機能型居宅介護を利用すると、デイサービスとショートステイが同じ事業所での対応となり、見慣れたスタッフが対応するため、利用者の精神面が安定する傾向があります。
様子がおかしい場合は、すぐに受診させる
こうして様子を見ながら、家族でのケアが難しいようならグループホームを探します。ただし、受け入れてくれるところならどこでも、と焦って決めるのではなく、ショートステイなどを利用しながら、利用者に合った施設を見極めたいものです。
また、認知症を進行させないためには普段からかかりつけ医の診察を受け、毎日きちんと薬を飲んでいることが大前提となります。現在は進行を抑える薬などがたくさん出ているので、様子がおかしいと思ったらすぐに受診させることが大切です。病院によっては認知症の家族会があるので、同じような家族と悩みや情報を共有することもできます。
グループホームへ入所する場合、家賃、食費、光熱水費などで12万円、介護保険自己負担分が2万5000円で月額14万5000円となります。このケースでは親の年金収入が20万円なので、十分まかなえます。またこのほかに入所一時金が必要になる場合があります。
[図表]ケース4の場合・父親(要介護3、認知症が重症化)が子ども夫婦と同居