今回は、賃貸経営をする上で、宅建や運転免許など、「資格の取得費用」は経費として計上できるのかを見ていきます。※本連載は、税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表の渡邊浩滋氏の著書、『大家さん税理士による大家さんのための節税の教科書』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、大家さんのための節税対策として、「グレーな経費の落とし方」について紹介します。
宅地建物取引士の資格は仕事上有効だが…
賃貸経営には、不動産の知識は必要です。意欲的な不動産投資家さんのなかには、宅地建物取引士(宅建)の資格を勉強される方もいらっしゃるようです。しかし、宅建の資格を取得するために専門学校に通った場合の費用は、不動産所得の経費にすることは難しいでしょう。
「教育費」としてあつかわれる資格取得費用
宅建の資格は、不動産業を行うにあたり、1事務所あたり、5人に1人について資格が必要とされることから、特定の職業に従事することができる資格であり、一定の社会的地位が保証されるものになります。つまり、資格を取得するために要した費用は、業務に間接的に有効であっても、その主たる目的は、新しい地位や職業を獲得するための「教育費」と考えられるのです。
ちなみに、車の運転免許証も同じです。不動産賃貸で自動車が必要だったとしても、経費にすることは難しいのです。
関連記事
税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表
税理士
司法書士
宅地建物取引士
1978年、東京都江戸川区生まれ。明治大学法学部卒業。税理士試験合格後、実家の大家業を引き継ぎ、空室対策や経営改善に取り組む。大家兼業税理士として悩める大家さんのよき相談役となるべく、不動産・相続税務専門の税理士法人に勤務。退職後、2011年12月、同事務所設立、現在に至る。司法書士の資格を活かし、不動産のスペシャリストとして税務だけでなく法律面の観点からもトータル的なアドバイスを提供。
『「税理士」不要時代』(幻冬舎)、『相続対策の常識ウソ?ホント?』『大家さん必携!ライフサイクルから考える賃貸経営の税務Q&A』(ともに清文社)、『大家さんのための超簡単!青色申告』(クリエイティブ ワークステーション)など著書多数。
渡邊浩滋総合事務所 http://www.w-sogo.jp/
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載成功する賃貸経営・・・「グレー経費」をきっちり経費化する方法