前回は、ワンルームマンションの「今後の需要」の見通しについて考察しました。今回は、「東京の賃貸需要」の見通しを探ります。

「一人暮らし人口」が増加する東京

日本は、少子高齢化で人口が減少しつつありますが、日本全体で平均して人口が減っているわけではありません。人口が減っている地域は、減少により拍車がかかりますが、逆に人口が増加しているところもあり、二極化が進んでいるのです。

 

とくに東京は、他の地域からの人口流入が続いています。以下の図表1、図表2は、国勢調査のデータに基づき、東京都が推計したものです。区部の世帯数を見ると、伸び率は低くなるものの、2035年まで世帯数の増加が続き、493万世帯に達すると予測されています。2015年時点と比較すると、約20万世帯の増加となる見込みです。

 

[図表1]東京都の一般世帯数の推移

 

[図表2]東京都の家族類型別世帯数の推移

 

とくに目立つのは、単独(一人暮らし)世帯の増加です。過去10年間(2005年から2015年まで)で、約244万世帯から約309万世帯へ、実に65万世帯も増加していることがわかります。伸び率にすると約27%です。

 

65万世帯というと、都道府県でいえば熊本県の世帯数に匹敵します。世帯数ですから、人数とはイコールではありませんが、この10年間で熊本県の1県分に当たる世帯が東京に移動してきたことになります。当然、その分の住まいが必要になっています。

 

この傾向は今後も続くと予測されています。一人暮らし世帯は増加が続き、2035年には324万世帯に達する見込みです。

とくに大きな世帯増加が見込まれる千代田区、中央区

とはいえ、東京都内も二極化が進みつつあります。市区町村によっては、大幅に世帯数が増加しているところもあれば、逆に減少しているところもあります。

 

以下の図表3は、東京の将来の人口増減を市区町村別に推測したものです。大まかにいえば、東の図表地域の世帯数の増加が目立ち、西の地域は変わらないか、減少する市区町村が多いということです。

 

[図表3]地域別一般世帯数の増減率(2010~2035年)

 

 

23区では、北区を除く22区で増加が見込まれていますが、とくに大きな増加が見込まれているのが千代田区や中央区で、増加率は20%以上と推測されています。資産運用型マンションを購入するのであれば、需要が高くなると予測される地域、つまり、人口が増加する地域を選ぶのが得策ということになります。 

本連載は、2016年5月20日刊行の書籍『30歳から定年までで2億円つくるほったらかし資産運用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本書の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本書の情報を利用した結果による損害、損失についても、幻冬舎グループ、著者並びに本書制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

宮園 泰人

幻冬舎メディアコンサルティング

年収減少、増税、年金不安・・・サラリーマンの老後はどん底貧乏間違いなし!! 「下流老人」「老後破産」・・・サラリーマンの多くが、老後の生活に不安を抱えています。定年後の安定した生活には最低1億円、ゆとりのある生…

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