地場産業が生き残るために必要な「6つの改革」とは?

前回は、生き残りをかける地場産業が、成功企業に学ぶべき点を説明しました。今回は、地場産業が生き残るために必要なこととは何かを見ていきます。

「販売戦略の改革」や「製品開発の改革」などが必要

地場産業がこれからの時代を生き残るために、すぐ始めるべき改革は全部で6つあります。

 

まず1つ目は、「販売戦略の改革」です。これは、すべての改革のスタート地点となる改革であり、誰に向けて、なにをつくり、どのように売っていくのかを明確にするために行います。

 

2つ目は、「製品開発の改革」です。自社が向かうべきマーケットが見えてきたら、その市場の中で戦える製品を生み出す、つまりブレークスルーのきっかけをつかむことが必要です。そのためには、身近なものへの見方を変えることが大きなポイントとなります。

 

3つ目は、生産工程のあらゆるムダを排除し、徹底した効率化を図るための「生産体制の改革」です。効率化といっても、それまで培ってきたものづくりのノウハウを捨て去る必要はありません。それぞれ、自社の強みを活かしながらうまく効率化するためにはどうするべきかを考えます。

時間のかかる「後継者育成」・・・早い段階から取り組みを

4つ目は、「後継者育成の改革」です。どんなに効率よく製品がつくられるようになっても、人材が育たなければ未来はありません。そして、人を育てるには時間がかかります。後継者育成に力を入れることは、できればそのほかの改革と並行して早い段階から取り掛かることをおすすめします。

 

5つ目は、ターゲットに確実にリーチするための「ブランディングの改革」。私の会社の製品の場合、ターゲット層は広くありませんが、届けるべき相手は明確です。その相手に最も効果的なアプローチができるよう、ブランディングの仕方を工夫してきました。

 

そして最後の6つ目が、「地域プロモーションの改革」です。地場産業であることの強みを最大限活かし、自社だけでなく、地域を巻き込んだプロモーションを行うことで、地域一体となってこれからの時代を生き抜くのです。

 

[図表]地場産業が今すぐ始めるべき6つの改革

飛騨産業株式会社 代表取締役社長
一般社団法人日本家具産業振興会副理事長 

1943年、岐阜県高山市生まれ。1968年、立命館大学卒業。その後株式会社富士屋代表取締役社長、株式会社バロー代表取締役副社長などを務め、2000年、飛騨産業株式会社代表取締役社長に就任。従来は廃棄されていた木の節を使った「森のことば」シリーズや、家具には不向きとされていた国産杉を圧縮加工して使用した「HIDA」シリーズなど、業界の常識にとらわれない柔軟な発想でヒット作を次々と生み出す。また、トヨタ生産方式を取り入れた生産体制の大幅見直しを行ったり、柳宗理やエンツォ・マーリといった国内外の有名デザイナーとのコラボレーションによる家具を製作したりと、抜本的な改革を行った結果、社長就任からの14年間でそれまでの2倍となる年間売上50億円を達成。近年は、若手育成を目的とした飛騨職人学舎の設立、伊勢志摩サミットで使用されたテーブルの製作など、活躍の場をますます広げている。

著者紹介

連載よみがえる飛騨の匠〜地場産業を復活させる改革とは?

本連載は、2017年7月28日刊行の書籍『よみがえる飛騨の匠』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

よみがえる飛騨の匠

よみがえる飛騨の匠

岡田 贊三

幻冬舎メディアコンサルティング

時代とともに移り変わる消費者ニーズの変化によって、崩壊の危機を迎えている地場産業。地場産業が生き残るためには「販売戦略」「製品開発」「生産体制」「後継者育成」「ブランディング」「地域プロモーション」の6つの改革…

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