前回は、生き残りをかける地場産業が、成功企業に学ぶべき点を説明しました。今回は、地場産業が生き残るために必要なこととは何かを見ていきます。

「販売戦略の改革」や「製品開発の改革」などが必要

地場産業がこれからの時代を生き残るために、すぐ始めるべき改革は全部で6つあります。

 

まず1つ目は、「販売戦略の改革」です。これは、すべての改革のスタート地点となる改革であり、誰に向けて、なにをつくり、どのように売っていくのかを明確にするために行います。

 

2つ目は、「製品開発の改革」です。自社が向かうべきマーケットが見えてきたら、その市場の中で戦える製品を生み出す、つまりブレークスルーのきっかけをつかむことが必要です。そのためには、身近なものへの見方を変えることが大きなポイントとなります。

 

3つ目は、生産工程のあらゆるムダを排除し、徹底した効率化を図るための「生産体制の改革」です。効率化といっても、それまで培ってきたものづくりのノウハウを捨て去る必要はありません。それぞれ、自社の強みを活かしながらうまく効率化するためにはどうするべきかを考えます。

時間のかかる「後継者育成」・・・早い段階から取り組みを

4つ目は、「後継者育成の改革」です。どんなに効率よく製品がつくられるようになっても、人材が育たなければ未来はありません。そして、人を育てるには時間がかかります。後継者育成に力を入れることは、できればそのほかの改革と並行して早い段階から取り掛かることをおすすめします。

 

5つ目は、ターゲットに確実にリーチするための「ブランディングの改革」。私の会社の製品の場合、ターゲット層は広くありませんが、届けるべき相手は明確です。その相手に最も効果的なアプローチができるよう、ブランディングの仕方を工夫してきました。

 

そして最後の6つ目が、「地域プロモーションの改革」です。地場産業であることの強みを最大限活かし、自社だけでなく、地域を巻き込んだプロモーションを行うことで、地域一体となってこれからの時代を生き抜くのです。

 

[図表]地場産業が今すぐ始めるべき6つの改革

本連載は、2017年7月28日刊行の書籍『よみがえる飛騨の匠』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

よみがえる飛騨の匠

よみがえる飛騨の匠

岡田 贊三

幻冬舎メディアコンサルティング

時代とともに移り変わる消費者ニーズの変化によって、崩壊の危機を迎えている地場産業。地場産業が生き残るためには「販売戦略」「製品開発」「生産体制」「後継者育成」「ブランディング」「地域プロモーション」の6つの改革…

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