バブル当時と今…銀行を取り巻く環境はまったく違う!
“金利を下げる交渉をしなさい!”
“個人保証を外してもらいなさい!”
“手数料を下げる交渉をしなさい!”
というと、“困りました・・・。”と、相談にくることがあります。
特に、まだ権限のない、後継者たちです。
聞くと、“こんなことを言われました。”というわけです。
それは、
“そんなことして、借りれなくなったらどうするんだ!”
“あの銀行にどれだけお世話になったと思ってるんだ!”
“銀行をないがしろにしたら、ヒドイ目にあうぞ!”
などということを、社長である父親や、古参の経理担当、
などから言われて、前へ進まない、というわけです。
いわゆる、銀行サマサマ病の、方たちです。
バブル崩壊以前に銀行融資を受けていた世代に、
圧倒的に多い症状です。
当時とは、銀行を取り巻く環境は完全に変わっています。
銀行による格付け方法が変わり、
融資先不足の、銀行カネ余りに変わり、
低金利時代に変わり、
銀行もつぶれる時代に変わり、
などなど、バブル以前の銀行とは、多くのことが変わっているのです。
「銀行サマサマ病」の社長の意識を変える方法とは?
しかし、過去の強烈な体験というのは、尾を引きます。
なかなか、切り替えられないのです。
ただ、そんな銀行サマサマ病の方がいる場合でも、
“ちょっと様子が変わってきました!”
という声を聞くことがあります。
こんなケースがありました。
“どうして変わってきたの?”
と聞くと、次のような答えが返ってきました。
“「赤字決算にしなさい!」の本を、
社長の机の上に置いておいたら、
いつのまにか読んでいて、
「これからは、無担保・無保証の時代だぞ!」
て、言うんですよ。
私が言っても聞く耳もたないのに、どう思います?”
というわけです。
つまり、誰から聞くか、何から読むか、ということによって、
素直に聞けたり、聞けなかったり、するのです。
人間とは、そういうものです。
後継者も、ぶつぶつ言いながらも、心得たもので、
“最近は、このブログの記事を印刷して、
社長の机の上にそっと置いてます。
なくなっているので、読んでいるんだと思います。”
とのことなのです。
で、実際に、その会社では、銀行交渉が進み始めたのです。
内部に銀行サマサマ病の方がいると、
銀行交渉は、進みづらくなります。
しかし、無理にその方々の意識を変えようとするのではなく、
遠回しに情報提供することで、意識を変えてゆく方法も、あるのです。
急がば回れ、なのです。