金融庁の方針を各地域で実行する財務局
前回の続きです。
金融庁は銀行に対し、
“保証に頼る融資から脱却せよ!”
と、大きく声を上げています。
が、銀行と中小企業の交渉の現場では、
いまだそんなことはおかまいなしの、
仁義なき銀行交渉が、繰り広げられているのです。
個人保証を外すのは上場企業だけです、と
銀行から言われたまま、その条件をのむわけにはゆきません。
そんなのは、銀行側のハッタリです。
上場・非上場に関係なく、
個人保証に頼らない融資を金融庁は推進しているのです。
どうしたらいいでしょう、という経営者に、こう言いました。
“じゃあ、金融庁のカードをだしましょうか。
「個人保証をすることに問題がないのか、
財務局にきいてみようかと思います。」
と、言ってみてください、。”
“えっ、はい、財務局ですか?”
“金融庁の方針を各地域で実行するのは、その地域の財務局です。
だから、財務局へ連絡するんですよ。”
“そうなんですか。わかりました。効き目ありますかね。”
“銀行は金融庁サマサマ病ですよ。何らかの効果がありますよ!”
となり、再度交渉を投げかけました。
個人保証は外さないというスタンスを崩さない支店長
交渉後に、連絡がきました。
“支店長に、
財務局に問い合わせようかと思います。って、言ってみました。”
“どうでした?”
“それが、・・・、どうぞ、って言われたんです。”
“そうですか。そうきましたか。
なかなか、強気の支店長ですね。
それは、その言葉が本気だと思われていないんですよ。”
“そうなんでしょうか?”
“そうですよ。だったら、
本気だということをわからせるしか、ないですね。”
“えっ・・・。”
“伝えたとおり、財務局に問い合わせるんですよ。”
“いいんでしょうか?”
“そのために事前の申し入れをしているんだから、
先方もあとでなんとも言えませんよ。”
“わかりました。”
となり、管轄地域の財務局へ連絡し、現状を伝えて、
個人保証が外れないのはおかしいんじゃないですか?
と、問い合わせてみることになったのです。
とにかく、その銀行の支店長は、
何があっても個人保証は外さない、
というスタンスを崩そうとしないのです。
それだけ、不良債権撲滅のため、数多くの交渉をこなしてきた、
ということでもあるのでしょう。
中小企業の多くの経営者は、
そのような雰囲気に、飲み込まれてしまいます。
で、悪い条件で契約してしまうのです。
しかし今は、借りる側のほうが、追い風なのです。
(続く)