前回は、会社の強み・弱みを洗い出す「SWOT分析」の概要を説明しました。今回は、会社の課題を可視化する「ビジネスモデル俯瞰図」の概要を見ていきます。

課題解決の優先順位付けにも役立つ「俯瞰図」

目標設定や理念と同時に明らかにしておきたいものは、会社の現状と実態についてです。帳簿作成を自前で行うようになれば、数字上、会社全体のお金の流れを把握することができます。しかし、それだけでは一体何がボトルネックになっているのかについては、いまひとつ明確になりません。

 

そこで、会社の現状を書き出し、その数字をもとに会社全体の俯瞰図を作成し、課題を可視化する作業が必要になってきます。

 

この俯瞰図は、課題解決の優先順位付けにも大きく役立つとともに、事業再生を円滑に進ませるための一助ともなるのです。

俯瞰図によって、事業構造や損益構造が明確に

まずはあなたの会社の業務はどういったもので、関係各社との間でどのような関わりによってビジネスが成り立っているのかを俯瞰図を作成して見てみましょう。

 

[図表1]ビジネスモデル俯瞰図①

 

どのような仕入先があり、それぞれからいくら仕入れがあるか、また、どういった納品先に対していくらの売上があるか、書き出していきます。さらに、過去の帳簿を参照しながら、仕入高と売上高の推移を図表にしてみます。

 

ここまでの作業で、自社の基本的なお金の流れを可視化することができたことになります。

 

何度も繰り返すようですが、これもやはり頭のなかで思い浮かべているのと、実際に可視化するのでは大きく異なります。このビジネスモデル俯瞰図を作成することで、事業構造や損益構造を明確にすることが可能となります。

 

それによって取引価格の見直し、あるいは不採算取引の是正などの経営課題が発見されることもあるのです。

 

[図表2]ビジネスモデル俯瞰図②

本連載は、2017年3月23日刊行の書籍『「万年自転車操業」の会社を「万年安定経営」に変える方法 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「万年自転車操業」の会社を「万年安定経営」に変える方法

「万年自転車操業」の会社を「万年安定経営」に変える方法

小林 優一

幻冬舎メディアコンサルティング

リーマンショック、アベノミクスを経た現在でも、中小企業は生き残りをかけた厳しい時代を迎えています。このまま手をこまねいていれば倒産・廃業を回避することはできません。しかし、多くの零細企業経営者・個人事業主は、何…

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