駐車場経営の提案を断る土地オーナーも多かったが…
こうして比較してみると、あらゆる面でロック板式駐車場よりもロックレス駐車場のほうに軍配が上がる。ロックレス方式はまさにいいことずくめで、これといったデメリットは見つからない。
ロック板やゲートバーなど従来の機器が導入されている駐車場をロックレス駐車場に切り替えるとなると、新たな工事が必要になり、コストもかかるが、新規につくる場合は、ロック板方式とそれほど大きな価格差はない。
実際、駐車場運営会社の営業担当者からは、ロックレス方式が登場したことで、土地オーナーに駐車場経営の提案がしやすくなったという声も聞かれる。
遊休地を持つオーナーにコインパーキング化を提案するのが運営会社の営業担当者の仕事だが、ロック板を使っていたときは、土地オーナーから断られる理由として「わざわざ機械をつけてまでやることはない」「不特定多数の方が利用するので防犯面が心配」という声がよく聞かれた。従来のロック板方式の駐車場では、そうした課題をクリアすることが難しく、土地オーナーに対し、なかなか有効な提案ができなかった。
その点、ロックレス駐車場ならば、「こんな新しいしくみのコインパーキングができたんですよ」という話題で興味を喚起し、その流れで話を聞いてもらえることが増えたという。
オーナーと運営会社にとってメリットになる防犯カメラ
ロックレス駐車場は、車室の写真だけを見ると、一見、機械はついていないようにも見える。実際には車室の後ろにナンバー認識ポールを設置するし、ループコイルも埋めることになるのだが、土地オーナーからすれば、月極駐車場とあまり変わらないように見えるのかもしれない。
そのせいか、以前はコインパーキングと聞くだけで難色を示されることも多かったが、ロックレス駐車場ならいいかもしれないということで、商談に進められることが多くなったという。
また、ロックレス駐車場システムに防犯カメラが標準装備されていることは、土地オーナーと運営会社の双方にとって大きなメリットになる。土地オーナーは近隣住民に気を遣うことが多いが、防犯カメラがあれば近隣住民の安心にもつながる。
コインパーキングという性格上、不特定多数の方の利用があるため、どうしても場内でのトラブルは避けられない。そんなときも、カメラがあればインターネット回線を通じて遠隔で画像を確認できるので、運営会社にとっても大きなメリットがあるというわけだ。