今回は、銀行が「短期間の融資」でも積極的に勧めてくる背景について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

社長の退職金を銀行からの融資で支給する!?

高騰した株価を下げる対策のひとつとして、
“社長に高額退職金を支給しなさい!”
とすすめております。
その際、
“そんなに払える現金がありません。”
“じゃあ、銀行から借りればいいじゃないですか?”
“えっ、借りるんですか?”
“借りて退職金を支給して、
退職した社長はその退職金を少人数私募債ですぐ会社に預けて、
1ケ月~2ケ月後には、
そのお金ですぐに銀行へ返済すればいいんですよ。”
と、お伝えします。すると多くの場合、
“しかし、銀行がそんな短期間だけ貸しますか?”
という言葉が返ってきます。

 

「そんなに都合よく、一時的に資金調達できるんだろうか?」
「そんなことをお願いしていいのだろうか?」
といったことを、経営者は心配されるのです。
その思いの奥にはどうやら、
今後の取引に響かないだろうか?
という不安がくすぶっているのです。
心のどこかに、銀行サマサマ病がしみついているのです。

「1週間でも1日でもいいので、借りてください!」

銀行は未曽有のカネ余りです。
一次的であろうと、貸したいのです。
そこで、借りる候補となる銀行には、
借入から返済までの一連の流れを説明します。
貸借対照表を面積グラフにして説明すると、
銀行にとってもわかりやすいです。
これまでに数々の事例に携わりましたが、銀行側が、
“そんな短期間ではお貸しできません。”
と言って断ったケースは、1件もありません。

 

“もっと融資額を増やしていただけませんか?”
“返済時には、
できることなら他行の借入を返済していただけませんか?”
などと交渉してくるケースはあります。
短いから貸せない、という話しではないのです。

 

そもそも、3月末や9月末が近づくと、銀行は、
“1週間でも1日でもいいので、借りてください!お願いします!”
と、言ってくるではありませんか。
短期間だから貸さない、などと言える強気の銀行は、
今の日本にはないのです。

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    本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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