今回は、金融庁による融資先の個別審査の廃止を受け、銀行にはどんな影響があるのかを見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

「なぜその企業に貸したのか」をねほりはほり…

銀行を舞台にしたドラマ「半沢直樹」に、
金融庁の審査官が銀行へ来て、
個別企業への融資格付けを下げさせようとするシーンがありました。
片岡愛之助演じるオネエ審査官が、
ホテル経営企業への格付けを下げさせようとする場面です。

 

銀行出身の経理担当で、
金融庁によるその審査を経験したことがある、
という方の声を聞くことがありました。
“いやもう、生きた心地がしませんでした…。”
“なぜその企業に貸したのか、ねほりはほり聞かれました。”
と、語っておられました。

 

しかし昨年、金融庁長官が変わって以降、
新たな方針が打ち出され、
金融庁が個別企業への融資を審査する、
ということは、なくなりました。

 

つまり、「半沢直樹」に登場したような場面は、
現状はもう、ないのです。
それはつまり、銀行が、
「金融庁による金融審査を理由に融資を断ってくる」
ということはなくなった、ということでもあります。

金融庁は銀行の業務全体を通じて管理体制を検証

金融庁は今後、個別案件ではなく、
銀行の業務全体を通じて、管理体制を検証する、
ということになったのです。
その基本が、
①「経営者保証に関するガイドライン」の活用状況
②事業性融資に基づく融資の促進状況
です。

 

それらのことを明記した、
事業主向けパンフレットも、発行しています。
こちらです。

 

そこには、金融庁への相談窓口や、
各地域財務局の連絡先も明記されています。
実際に連絡するかどうかは別にして、
プリントアウトしておき、銀行交渉の際、
“ここにはこう書かれていますよね。”
“この窓口に相談してみようかと思います。”
など、使える材料として、手元に置いておけばよいのです。"

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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