郊外に出ると利回りはやはり上がる
前回の続きです。
この物件は、相見積もりによる建築費抑制などが機能して、表面利回り9%近くをはじき出しそうだ! 当初の家賃設定を甘めに設定しているかもしれないが、厳しく見積もっても8%は確保できそう。いうまでもなく今後、リニアモーターカーで駅前の開発が進むエリアなので、十分にキャピタルゲインも狙え、かつインカムゲインも期待できる。今後の主力の稼ぎ頭になるだろう。やはり郊外に出ると利回りが上がる。
問題点
納期意識の高い設計士にあたり、設計カルテ通りにサクサク進んでいる。納期問題は今のところ発生していない。しかし、今まで都内の新築では発生していない問題が発生した。
水道加入金だ。
水道メーターを新設する際に、1つ当たり15万円前後(直径にも依るようだが)必要と言うのだ。今までこの土地は1世帯しか住んでいないが、私がアパートを新築することで15世帯になる。つまり14部屋増えると200万円弱が発生する。全く想定外だ。折角利回り9%台に乗るかと期待していたのに、足元をすくわれることになる。エリアによっては想定外の費用がかかる。
水道メーターだけの話で解決するなら、水道メーターは1つにして、オーナーの私が水道料金を一括払いすればいい。各入居者は水道使い放題だ。それで、賃料に水道料金を上乗せするというやり方を検討した。結果、水道メーターを1つにしても部屋の数だけの水道加入金が必要とのことなので、結局、メーターも部屋の数だけ設置した。
プロパンガス屋が設備費用を負担してくれるケースも
交渉ポイント
私が保有するほとんどの物件は都市ガスだが、このエリアはプロパンガスだった。プロパンガス屋は自社を選定してもらうために、本来はオーナーが負担すべき設備の費用負担をしてくれる場合が多い。新築にも適用できるのでは?と推測して、以下のような本来の建築費と切り離せそうな設備関係の付属工事をプロパンガス屋で実施できないか、交渉した。
●エアコン工事
●カーテンレール設置
●ピクチャーレール設置
●ダストボックス設置
●駐輪場設置
結果、エアコン工事はプロパン業者に負担してもらうことができた。また、当初の交渉材料には入れてなかったが、TVモニターホンも設置してもらうことができた。入居者のガス料金負担も相場同等レベルを維持できた。このように、プロパンガス屋と契約する際には、ゴリゴリオプションを付けてもらうよう交渉すべきだ。
想定外の問題を抱えながらも、他の交渉材料を見つけながら、初期費用を抑制し、約9%台の利回りをはじき出すことができた! 金利が1.5%なので、新築でイールドギャップ7.5%はデカい。今の都内では考えられないぐらいの高利回り物件だ。しかも橋本だと10~15年後の資産価値増も期待できる。利回りを上げるなら、都内から外れないと実現できない。