前回に引き続き、荻窪の新築アパートを購入した事例を見ていきましょう。今回は、新築アパートの「納期」を短縮する方法とメリットを紹介します。

不動産投資は何よりも「スピード」が重要

前回の続きである。

 

この物件は初めて法人を設立して購入した。連載第6回の三軒茶屋アパートの反省を生かして、問題点をいくつか解消した。

 

①建築条件付がない物件を購入(建築費用が安い)

②銀行金利は、ついに初の1%台に突入。

③土地購入から建物完成までの時間短縮

 

全て問題点が解消されなくても良いが、少しずつ進化していくことは重要だ。ネームバリューのある駅徒歩圏内で利回り7%前後で御の字。何よりもスピードが大切。ベストではなく、ベターで十分。ベストプランを待っている時間はない。

 

その結果、次のような改善効果を得ることができた。

 

①建築費コストダウン(木造3階建て・外壁サイディング・独立洗面台付など同等スペックでの比較)

 

物件No.3(建築条件付き:改善前)4070万円/137.97m2=29.5万円/m2=97万円/坪

 

物件No.4(建築条件なし:改善後)3000万円/120.49m2=24.9万円/m2=75万円/坪

 

坪単価にして30%削減できた。建築条件を外せばしっかりコストに反映される。

 

②銀行金利

 

物件No.3(某地銀:改善前)3.5%

物件No.4(都市銀行:改善後)1.3%

 

物件4の借入金額は7300万円だったので、各々の場合で比較してみよう。

 

●3.5%での借入……総支払額1億1802万円

●1.3%での借入……総支払額8820万円

 

総支払差額▲2982万円の差が出る。しかし、実際は30年間本当に保有するか分からないため、実態に近い効果を算出するために、10年後を比較してみる。

 

●3.5%……10年後の総支払額3935万円、残債5652万円

●1.3%……10年後の総支払額2940万円、残債5175万円

 

10年間で比較しても、1.3%の方が、総支払額▲995万円、残債▲477万円、計▲1472万円もの削減効果がある。これはデカい。

土地契約から引き渡しの間に、建物のプランを詰め込む

③土地から建物完成までの時間短縮

 

物件No.3(改善前)……2014年4月28日土地引き渡し、建物竣工2015年2月28日。トータル日数306日

 

物件No.4(改善後)……2015年2月2日土地引き渡し、建物竣工2015年11月16日。トータル日数287日

 

改善効果……▲19日短縮

 

もう少し短縮できたと思うが、諸事情でこの程度の短縮となった。土地契約から引き渡しの間にできるだけ建物のプランを詰め込んで、納期短縮をすることがポイントだ!

 

仮に60万円/月の家賃収入を生むとしたら、1日当たり2万円、19日だと38万円のコストダウンと同様の効果だ。こうやって、前の自分と比較して、少しでも成長が実感できれば、最初に粗削りでも早く参入する効果が出てくる。頭で考えるより、実践あるのみ!

理系サラリーマン大家が伝授する  不動産投資で不労所得1000万円を得る方法

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溝口 晴康

幻冬舎メディアコンサルティング

いまや大ブームとなった不動産投資。しかし初心者であれば、どんな物件を買うべきか、資金をどのように調達するのか、購入後はなにをすればよいのかなど、わからないことだらけ。しかし著者は、そこで、自ら不動産投資にチャレ…

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