前回は、将来の交通環境等まで見据えた「不動産投資の立地戦略」について説明しました。今回からは、著者が実際に新築不動産に投資をした事例とその反省点を紹介します。

建築条件や借入金利等に足を引っ張られ…

世田谷新築アパート(新築プロジェクト1)

①購入:2014年3月(土地契約)

②最寄駅:世田谷線三軒茶屋駅徒歩3分

③購入価格:1億1000万円(土地7000万円、建物4000万円)

④部屋数:5部屋

⑤家賃:56万円/月(表面利回り6.1%)

⑥築年数:新築(建物完成2015年2月)

⑦借入金額:1億円

⑧借入期間:35年

⑨借入金利:3.5%(※)⇒1%台に

(※)預金金額により、金利優遇措置あり。

 

初めて買った新築物件で、若干舞い上がっていた。

 

以下が、その反省点。

 

●建築条件付で土地を購入した

建築条件付とは土地を購入する際に、建築業者を指定されていることだ。交渉により、建築条件を外すこともできるが、その場合は土地価格が数%上がることもある。建築条件を外す交渉をすると、土地が購入できなくなる可能性もあったため、売主を刺激することなく、そのまま建築条件付で土地を購入した。結果、建築費はざっくり1割程度高かったような印象を受けた。

 

●借入金利が高かった

借入金利が3.5%(※預金金額により、金利優遇があり、1%台まで下がる)だった。金利優遇は元本返済後にしか適用されず、土地ローン支払い時は3.5%の金利を支払い続けた。結果、建物が完成して家賃を生み出すまでに、土地の利息だけで200万円近く支払った。金融機関との調整が甘かった。

 

●家賃収入が想定よりも4万円(7%)も低かった

繁忙期(2月)に完成と、新築プレミアムによる効果で、家賃収入を高く見積もり過ぎた。次の入居募集戦略にもつながるが、もう少し前もって入居募集戦略を立てる必要があった。

一度の失敗が致命傷に・・・慎重に選びたい「立地」

●入居募集戦略が甘かった

現地の仲介業者をしっかり回らずに、インターネットの集客に強い業者と専任契約を結んでしまった。インターネットの募集に強い業者、地元のネットワークが強い業者など、特徴はいくつかあるが、やはり専任契約はNGだと反省している。仲介業者は両手で手数料を取りたいはずなので、もう少し地元の仲介業者を回らないといけなかった。

 

●設計業者との詳細仕様の詰め、合意プロセスが甘かった

本当は駐輪場としてのスペースだったが、植栽置き場になってしまった。植栽は、メンテが大変なので、できれば避けたかった。草がボーボーと生い茂り、頻繁に草むしりが必要だ。植栽も凝り始めれば差別化の一要因となり、面白いのかもしれないが、残念ながら私にそんなセンスはない。自分の得意分野、不得意分野を見極め、不得意分野は、可能な限り排除していった方が良い。自分の不得意分野は、結局外注化せざるを得ず、外部におカネが出ていきやすい。

 

上記のようにいくつかの反省点はある。しっかりリスクを回避できる堅実な人ならば、予めリスクを洗い出して、先手を打てるのかもしれない。しかし、私は全く後悔してない。むしろ、上記のようなことをしっかり実感できて、次に失敗しないように学ぶことができて良かったと感じている。

 

物件を拡大するための試金石だ。細かいことはあとから軌道修正していけば良い。大切なのは、問題意識を持ち続けることと、改善点を見つけることだ。1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と回数を重ねるごとに精度を上げていけば良い。

 

不動産は大きなおカネが動くために、1度の失敗が致命傷になりかねない。致命傷にしないために、エリアだけは固いエリアを選んでいる。それ以外のことは正直、全て誤差の範囲で致命傷にはならない。頭で考えるより、実践して覚えた方が時間短縮できる。

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    溝口 晴康

    幻冬舎メディアコンサルティング

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