Cの向きはくっきり見えなくても良い!?
目の健康とは切り離せない「視力検査」。「なんとなく受けている」という方も多いかもしれませんが、その原理を正しく理解していますか。
そもそも、「環の開いている方向」をたずねられる、「C」に似た記号の名前をご存じでしょうか。この記号は、専門用語で「ランドルト環」といいます。実は世界共通の指標です。ランドルトという名前は、考案したフランス人医師の名前にちなんでつけられました。
ランドルト環は、私たちに親しみの深い存在です。けれどもその原理については、誤解も多いようです。ランドルト環の視力検査は、「くっきり見えること」が大事なわけではありません。
本来「視力」とは、「離れた二点が見分けられること」と定義されています。たとえCの形が鮮明に見えていたとしても、ぼんやりとしか見えなかったとしても、「離れた二点が正しく見分けられていればOK」なのです。
したがって、たとえぼんやりとでも見える場合は、自信を持って答えましょう。
「くっきりと見えているわけではないから」と遠慮をしていると、視力を正確に測れなくなってしまいます。当然のことですが、まったく見えない場合は「わかりません」と答えましょう。当てずっぽうで適当に答えるというのはNGです。
よく見えなければ「まばたき」をしてみる
また、気をつけてほしいのは、「目を細めてはいけない」という点です。少しでも目を細めると、ピントを合わせやすくする「ピンホール効果」で、一時的にパッと「よく見えてしまう」ことがあります。
逆におすすめしたいのは、まばたきです。「よく見なければ」と目を見開くと、まばたきの回数は自然に減り、見えにくくなるようにできています。そのため、検査中にはまばたきを意識的に行ったほうがよいのです。