今回は、新規の銀行で融資の「借換え」を行う場合の、既存行への影響などを見ていきます。※本連載では、株式会社グラティチュード・トゥーユー 代表取締役で資金繰りコンサルタントの川北 英貴氏の著書『中小企業経営者のための 絶対にカネに困らない 資金調達 完全バイブル』(すばる舎リンケージ)から一部を抜粋し、金融機関の使い分けについて詳しく紹介します。

既存の銀行と新規の銀行の大きな違いとは?

前回の続きです。

 

借換えを提案してくる銀行からすでに融資を受けている場合、その銀行があなたの会社に対し借換えを提案してくるのは、その銀行があなたの会社に対して積極的に融資をしていこうという方針になっているからでしょう。

 

一方、借換えを提案してくる銀行が新規の銀行である場合、その銀行は、帝国データバンクなど興信所の企業情報からあなたの会社の情報を得て、融資の提案をしてくることが多いです。

 

既存の銀行と新規の銀行の大きな違いは、銀行がどこまであなたの会社のことを把握しているか、です。

 

既存の銀行では、あなたの会社は今まで融資を受け、返済してきた実績があります。その返済実績が、信用につながっていき、多少業績が悪くなっただけでは融資を控えないほど、信用がついています。

 

しかし新規の銀行では返済実績がなく、まだ信用がついているとは言えないため、あなたの会社の業績が悪くなればすぐに融資を控えようとすることも多いです。それが、長年取引してきた銀行と、新規で取引を開始した銀行との違いです。

 

こう考えると、長い間、取引してきた銀行では、他の銀行が有利な借換え提案を持ってきたとしても慎重に考えたいものです。他の銀行で借換えするのであれば、借り換えされたほうの銀行からのあなたの会社への印象は悪くなります。それまでその銀行と培ってきた信頼関係が、他の銀行へ借換えすることによって簡単に崩れてしまいます。

関係が悪化しない同じ銀行内での融資の借換え

なお、同じ銀行の融資を新しい融資で借り換えされる場合はどうでしょうか。

 

同じ銀行内での借換えであれば、他の銀行へ借り換えされることによる関係の悪化という現象は、当然、起きません。

 

なお、企業側がメリットになることは、一方で銀行にとってデメリットになるものです。例えば銀行は、既存の融資の金利を低い金利の新規融資で借換えすることは、銀行にとっては損をすることですのでそのような提案はなかなか行いません。

 

対して、融資をまとめることによる返済負担の軽減は、銀行にとっては損ではないため、提案してくることは多いものです。

 

以上、借換えのメリット・デメリットを見てきました。同じ銀行内での借換えよりも他の銀行での借換えを行うほうが、金利が下がりやすくなるなど、企業にとってはメリットが大きいです。しかし、借り換えされたほうの銀行との関係は悪化します。

 

私は、他の銀行で借換えすることはお勧めしません。どこかの銀行から既存の銀行の借換えを行う融資の提案を受けたのであれば、借換えではなく、提案を受けたそのままの金額の融資を受け、その銀行との関係を築いていくとよいでしょう。

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    本連載は、2016年12月刊行の書籍『中小企業経営者のための 絶対にカネに困らない 資金調達 完全バイブル』から抜粋したものです。稀にその後の法律、税制改正等、最新の内容には一部対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

    中小企業経営者のための 絶対にカネに困らない 資金調達 完全バイブル

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    川北 英貴

    すばる舎

    元銀行員のカリスマコンサルタントが伝えたい! 銀行との融資交渉、決算書の見られ方、普段の取引…etc.「いつ不足するか?」 がひと目でわかる「資金繰り表」、絶対にソンをしない「資金調達」の方法、調達した後も苦しくな…

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