今回は、前回に続き、審査の厳しい「プロパー融資」をスムーズに受ける方法について見ていきます。※本連載では、株式会社グラティチュード・トゥーユー 代表取締役で資金繰りコンサルタントの川北 英貴氏の著書『中小企業経営者のための 絶対にカネに困らない 資金調達 完全バイブル』(すばる舎リンケージ)から一部を抜粋し、金融機関の使い分けについて詳しく紹介します。

信用保証協会保証付融資とプロパー融資を抱き合わせる

前回の続きです。

 

(3)信用保証協会保証付融資と抱き合わせで提案してもらう

 

プロパー融資の道を作るために、信用保証協会保証付融資とプロパー融資を抱き合わせで提案してもらうよう誘導する方法があります。

 

抱き合わせとは、例えば信用保証協会保証付融資4,000 万円、プロパー融資1,000 万円を同時、もしくは近い時期に実行してもらうことを言います。

 

ちなみに信用保証協会は、信用保証協会保証付融資、単独より、プロパー融資との抱き合わせでの融資のほうが、保証を承諾できる金額を増やしやすいです。なぜなら、銀行が同時にプロパー融資を行うということは、銀行もその会社に対して積極的に融資しようとしていることです。銀行がそのように前向きな評価をする企業であれば、保証金額を増やしやすいからです。

 

例えば、3つの銀行から融資を受けていて、いずれも信用保証協会保証付融資のみだとします。そしてその3つの銀行から、新規の信用保証協会保証付融資の提案が来ているとします。あなたがどの銀行から信用保証協会保証付融資を受けたらよいかわからない状況の中、その3つの銀行に「自分の会社は融資金額を増やしたいと思っている。プロパー融資と抱き合わせで提案してくれないか」と交渉します。

 

そして、プロパー融資と抱き合わせで融資してくれる銀行で融資を受けるようにします。

企業側から主体的に銀行へ仕掛けていく

以上のように、今まで信用保証協会保証付融資しか受けてこなかったのであれば、プロパー融資を受ける道を探りたいものです。1つの銀行がプロパー融資を行ってくれたのなら、他の銀行にも、その事実をアピールします。

 

そして、「プロパー融資を出してくれる銀行を中心に融資を増やしていきたい」と言います。そうすると他の銀行でも、競争意識が働きプロパー融資を検討してくれるようになります。

 

銀行は、他の銀行がプロパー融資を行っていると、自分の銀行も安心してプロパー融資を行いやすいものです。

 

プロパー融資は、企業側が主体的になって、銀行へ仕掛けを行っていかなければ、なかなか受けられるものではありません。

 

プロパー融資を受けられるようになるための以上のようなテクニックを使ってみてください。

本連載は、2016年12月刊行の書籍『中小企業経営者のための 絶対にカネに困らない 資金調達 完全バイブル』から抜粋したものです。稀にその後の法律、税制改正等、最新の内容には一部対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

中小企業経営者のための 絶対にカネに困らない 資金調達 完全バイブル

中小企業経営者のための 絶対にカネに困らない 資金調達 完全バイブル

川北 英貴

すばる舎

元銀行員のカリスマコンサルタントが伝えたい! 銀行との融資交渉、決算書の見られ方、普段の取引…etc.「いつ不足するか?」 がひと目でわかる「資金繰り表」、絶対にソンをしない「資金調達」の方法、調達した後も苦しくな…

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