本連載は、資金繰り改善コンサルタントで税理士の亀田潤一郎氏の著書、『資金繰りは4色通帳にまかせなさい』(経済界)の中から一部を抜粋し、会社のお金の流れを仕組み化する「4色通帳」導入のステップをご紹介します。

5つのステップを踏んで「4色通帳」を導入

経営者の皆さんには、お金の流れに応じ、4つの預金口座を設定することを推奨してきました。

 

「入ってくるお金」→「売上収入口座」(緑)

「出ていくお金」→「運転資金口座」(黄)

「使ってはいけないお金」→「納税緊急口座」(赤)

「使ってもよいお金」→「将来投資口座」(青)

 

本連載では、具体的な各口座の使い方について解説していきます。

 

資金繰りをコントロールするためには、上記のように口座を分けた上で、会社のお金の流れを「シ・メ・テ」の仕組みに落とし込む必要があります。

 

「シ」シンプル―お金の流れを単純にする

「メ」明瞭―――お金に流れを明瞭にする

「テ」定型化――お金の流れを定期的かつ定型化する

 

しかし、いきなり4つの預金口座を開設し、会社のお金の流れを仕組み化するには無理と混乱が生じることと思います。

 

そこで、導入にあたっての次の5つのステップを踏んでいきたいと思います。

 

ステップ① 売上収入口座(緑)と運転資金口座(黄)を開設

ステップ② 納税緊急口座(赤)を開設

ステップ③ 将来投資口座(青)を開設

ステップ④ 資金シフトのスケジュールを確定

ステップ⑤ 月々の資金繰りチェックを実施

 

導入当初は戸惑いがあるかもしれませんが、これら5つのステップを踏むことによって徐々に会社の仕組みとして根付いていくはずです。

 

※ 現在、金融機関では口座管理コストの削減およびマネーロンダリングの防止から、本店所在地近辺の本店又は支店の口座開設が原則になっています。また、複数の預金口座を開設することに消極的な金融機関もあるため、実際に口座開設する際は、各銀行にお問い合わせください。

会社の「収入」と「支出」を切り分けて管理

<ステップ①>売上収入口座と運転資金口座を開く

 

「4色通帳」導入の最初のステップは、会社に入ってくるお金(収入)と出ていくお金(支出)を切り分けることからスタートします。そのために、まず預金口座を2つ用意します。

 

そのうち一つの預金口座を売上代金の回収専用の預金口座(以下「売上収入口座」)とし、もう一つを毎月経常的に支出する運転資金を専用に取り扱う預金口座(以下「運転資金口座」)として使用します。

 

売上収入口座には、得意先から回収した売上代金を専門に預け入れます。そして、月末などの一定時点に、売上収入口座から運転資金口座にその月に必要な額の運転資金を振り替え、支払い日にはその運転資金口座から各経費などを支払うようにします。

 

[図表]売上収入口座から運転資金口座への資金シフト

 

次回は、ステップ①の続きを見ていきます。

資金繰りは4色通帳にまかせなさい

資金繰りは4色通帳にまかせなさい

亀田 潤一郎

経済界

通帳を色分けするだけで資金繰りが「見える化」! 会計知識ゼロでも会社にお金を残す方法を伝授します! ・社長はなぜ、いつも資金繰りに苦しむのか? ・資金繰り下手な社長のたった一つの共通点 ・会社のお金は4色に色分…

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