自分の会社の価値をある程度試算しておくことで、M&Aをより有利に進めることができます。どのような算定方法があるのか、具体的な方法を見ていきます。

大まかな額なら自分で計算することも可能

実際に自分の会社がいくらで売れるかは、専門家に評価してもらう必要があります。ただ、大体の試算は自分ですることができます。大まかな値段だけでも分かっていれば、M&Aを考える上での参考になり、事業承継の計画も立てやすくなります。

 

ただし、会社の売却金額の算定には、「これでなくてはならない」という決まった計算方法が存在しません。幾つかあるなかから適宜、決めていくことになります。決まった計算方法がないということは、売却金額が分かりづらく、自分の会社が売れるイメージを持ちにくいというデメリットがあります。

 

売り手の言い値で成立するほどM&Aは簡単ではありませんが、「最低でもこれ以上で売りたい」というラインを示す上では大変有効です。売却金額を決める際は、専門家のアドバイスを聞きつつも、自分の基準を持っておくことが大事です。

中小企業の場合は「時価純資産法」が最も分かりやすい

では、具体的にどういった方法があるのかを見ていきましょう。企業価値の算定には、下図のような考え方があります。

中小企業の場合は、「時価純資産法」が最もシンプルで分かりやすい方法でしょう。DCF法や類似会社比準法という方法もあります。

 

また、試算する場合のみ、「中小企業庁方式」という簡便な方法もあります。それぞれの長所と短所は、表にまとめておきます。

本連載は、2015年9月25日刊行の書籍『後継ぎがいない会社を圧倒的な高値で売る方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

後継ぎがいない会社を 圧倒的な高値で売る方法

後継ぎがいない会社を 圧倒的な高値で売る方法

岡本 雄三

幻冬舎メディアコンサルティング

「後継者がいない」「後継者がいても継がせたくない」そう悩む中小企業経営者が増えています。しかし、廃業となると、経営者自身の連帯保証の問題や従業員の生活の保証、取引先への影響などもあるため、なかなか踏み切るのは難…

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