大まかな額なら自分で計算することも可能
実際に自分の会社がいくらで売れるかは、専門家に評価してもらう必要があります。ただ、大体の試算は自分ですることができます。大まかな値段だけでも分かっていれば、M&Aを考える上での参考になり、事業承継の計画も立てやすくなります。
ただし、会社の売却金額の算定には、「これでなくてはならない」という決まった計算方法が存在しません。幾つかあるなかから適宜、決めていくことになります。決まった計算方法がないということは、売却金額が分かりづらく、自分の会社が売れるイメージを持ちにくいというデメリットがあります。
売り手の言い値で成立するほどM&Aは簡単ではありませんが、「最低でもこれ以上で売りたい」というラインを示す上では大変有効です。売却金額を決める際は、専門家のアドバイスを聞きつつも、自分の基準を持っておくことが大事です。
中小企業の場合は「時価純資産法」が最も分かりやすい
では、具体的にどういった方法があるのかを見ていきましょう。企業価値の算定には、下図のような考え方があります。
中小企業の場合は、「時価純資産法」が最もシンプルで分かりやすい方法でしょう。DCF法や類似会社比準法という方法もあります。
また、試算する場合のみ、「中小企業庁方式」という簡便な方法もあります。それぞれの長所と短所は、表にまとめておきます。