人口減少、空き家の増加…賃貸市場が縮小する日本
日本は少子高齢化で人口が減っていく――特に生産人口といわれる働き手が減るため、経済発展は望めません。現状でも空き家が溢れかえり、今後も増えていくことが予想される中で、日本の不動産投資だけを行っていくのはとても危険です。海外で不動産投資を行う人には、このような見方をする人もいます。これは、ある意味では正しい認識です。
日本の不動産市場、賃貸市場は縮小する一方ですが、世界を見渡せば、人口が増えてこれから経済成長を迎える国がたくさんある。あえて、日本で投資する理由はない。むしろ、海外でこそ不動産投資を行うのがいい――しかし、こうなってくると、少し眉唾だと思います。
日本のように少子高齢化が始まっている国は先進国では多いですが、中国をはじめ、まだまだ経済発展が見込める国でも、政策によっては少子高齢化になっています。
例えば、日本が移民を受け入れるようになれば、人口が増えて少子高齢化は解消されるかもしれません。どちらにしても、「人がたくさんいれば儲かる」というような単純な話ではありません。
世界には自国の国民ですら土地所有ができない国もありますし、外国人の土地購入が認められない国もたくさんあります。法的な部分も、チャンスが大きいといわれる発展途上国こそ未整備で、「騙す・騙される」の前にカントリーリスクがつきまとっています。
その点でいえば、日本は世界でも有数の不動産が買いやすい国であり、その価値も高いからこそ、外国人投資家が日本の不動産を買いあさっているという現実があります。
海外投資はレバレッジが効かない!?
国内投資と海外投資は別の投資のようなイメージが強いのですが、基本的に、「資産を増やしたい」という目的は一緒です。
そのいくつかの方法の中で、海外の不動産、海外の金融商品があります。だから、一投資家から見れば、海外も日本も根本的な部分で一緒だと私は思っています。実際、私も海外投資をしています。ただやはり、資産をこれから増やすというところであれば、レバレッジが効きやすい国内の不動産投資が一番いいと思います。
簡単に言うと、海外の不動産投資、特にアジアなど今後経済発展が期待される国を対象にした投資が流行っていますが、それは「そういう国であればキャピタルゲインが狙えるだろう」「お金が大きく儲かるだろう」と思って行うケースが多いですが、ただお金を増やしたいのだったら、やはり国内の方が手堅いのです。
というのも海外の場合では、銀行融資が借りにくく、借りられても金利も高いので、日本のように大きなレバレッジが効かないのです。だから海外に関しては、ある程度キャッシュをつくって、キャッシュを中心に行うのが適したやり方だと思います。
複数の外貨で資産を持てばリスク分散に
なぜ、私が海外投資をお薦めするのか。その最大の理由は、「資産を円だけで持っているというのは、リスクの高い状態だから」です。
国内の不動産投資も「特定のどの物件がいい」というよりも、さまざまな物件を持っていたほうがいいでしょう。例えば新築だったり、中古だったり、都心だったり地方だったりと分散した形でポートフォリオを組んでいた方が、よりリスクヘッジになります。それと同じで、やはり円だけではなく、いろんな外貨で持っていた方がリスクの分散になります。
[図表]外貨でも分散投資