まったくの無税か、きわめて低い税率しか課せられない
前回の続きです。
海外の金融商品の中には、相続税対策に有効なものもあります。専用の口座をつくれるものもあります。途中で積立金額を増やしたり減らしたりということができる商品もあります。
海外のものは日本に比べて、柔軟性が非常に高いと思います。一部の海外の金融機関では日本語もできますし、サポートも日本語なので、もし何かあっても日本語で答えてくれます。本来では一個人ではできないようなヘッジファンドに投資できるわけですから、非常に魅力的な商品です。
これらの商品はオフショアの国で運用されています。もともと、そのオフショアというのは、お金持ちが自分のお金を残すためにそういう制度をつくっているのです。オフショア市場とは、金融規制、税制面で優遇された市場を指します。規制や課税の方法を国内市場と切り離し、比較的自由に行う、主に外国人の非居住者向けの金融市場です。
有名なところではイギリスのマン島やカリブ海のケイマン諸島がありますが、世界中にはヨーロッパ・地中海、アジア・太平洋、太平洋・カリブ海に40カ所以上の国と地域が存在します。
これらの地域は、資産運用や財産の保全に最適の場所とされており、世界中多くの金融機関が集まっています。また、オフショア市場で設定されたファンドのことを「オフショアファンド」といいます。
オフショア市場の長所をあげると次の通りです。
<オフショア市場の長所>
●高格付けの銀行・・・オフショアには世界的に格付けの高い銀行がたくさん存在する
●優秀な金融商品・・・現在、世界の資金の半分以上がオフショアで動いているといわれている
●税金がかからない・・・オフショア地域ではまったくの無税か、またはきわめて低い税率しか課せられない
●プライバシー保護・・・オフショア機関は個人及び企業情報を開示する義務がなく、プライバシーと秘密性を提供できる
●規制上のメリット・・・規則がシンプルでわかりやすく、低コストで遵守することができる
●共同口座の開設・・・夫婦、親子、またはビジネスパートナーなど、戸籍上のつながりのない方々の共同名義でも口座開設が可能
ドルコスト平均法による外貨商品の積み立ても可能
このような魅力的な市場で、優秀なファンドマネージャーが運用する一流の金融機関のファンドにアクセスが可能なのです。多数の積立商品があり、中には月々数十ドルで行える手軽な商品もあります。特に私がお薦めだと思うのが、ドルコスト平均法で外貨商品の積み立てが行えることです。
ドルコスト平均法とは値動きのある商品(ファンド・外貨等)を一定の金額で継続して購入する方法です。商品価格が高いときは少量しか購入できないため、高値つかみする量は少なくなります。また、商品価値が低いときは、多くの量が購入できて、購入コストが安くなります。
海外ファンドを毎月一定額分ずつ買い付けた場合と、一定口数分ずつ買い付けた場合を比較すれば一目瞭然です。ドルコスト平均法を利用することで、同じ投資金額でも合計口数が多くなり、平均買付価格も安くなります。
こうして少額の積み立てであっても時間を味方にすることで、運用の成果を大きくあげることができるのです。積立投資は元本と利息の合計金額を運用することで、利息が利息を生む複利効果が期待できます。