内断熱工法は住宅の寿命を縮めるケースも!?
30年以上も住宅ローンを払い続けて、払い終わった頃には、柱や土台の腐食やシロアリ被害など、構造材に問題が生じてしまう。それではあまりにも悲しすぎます。本来、木造住宅というものはもっと長持ちするものです。
木という素材が持つもともとの性質を無視して、柱と柱の間に断熱材を入れる内断熱工法で家を造るようになってから、このような事態が多く見られるようになりました。内断熱工法では、柱などの木材が空気に触れず、カビやそれをエサにするダニが発生しやすくなります。また、壁の中で発生した結露により腐朽菌が発生し、構造材そのものが腐り、住宅の寿命を縮めていたケースもあるのです。いくらボルトなどの金具で補強しても、もとの柱や土台がボロボロに腐ってしまっていたら、耐震性・耐久性の高い家になるはずがありません。
外断熱工法を用い、無垢材の特性をさらに活かす
木を腐らせないようにするためには、とにかく空気に触れさせることが一番です。柱の外側にすき間なく断熱材を張り巡らせる外断熱工法なら、壁内の温度や湿度が一定に保たれ、結露の発生が抑えられます。また壁内が空洞になるので柱が直接空気に触れると、木材の調湿機能がより高まります。
ひき板や小角材を接着剤で組み合わせた集成材の場合は、年月を経た後の耐久性が不安ですが、無垢材であれば、100年経っても200年経っても丈夫な木造住宅は理論的に可能です。外断熱工法を用い、無垢材の特性をさらに活かした家を建てれば自然と高耐久の家になるのです。