前回は、注文住宅の建築時にオーダーしたい「造作家具」の魅力を紹介しました。今回は、自分の「理想の家」を建てるためのポイントを見ていきます。

客側も「家造りの知識」を持つことが重要

思い通りの仕上がりではなかった、余計なお金がかかったと感じる方は、残念ながら少なからずいらっしゃいます。あまり親身でない施工会社や、悪徳な施工会社にあたった場合、「いい家」を建てること自体難しくなります。

 

家を建てた後、満足のいかない結果だからといって、施工会社を一方的に非難しても仕方がありません。誤解を恐れずあえて言ってしまうと、「だまされる方も悪い」のです。不満や失敗に終わらないためにはどうすればいいのか。それには最低限必要な家造りの知識を身につけることが重要です。

 

通常、施工会社は知識のあるお客様よりも「業者任せ」にしてくれるお客様を好みます。しかし、私は施工会社とお客様は対等の関係であるべきだと考えています。施工会社がお客様の想いに真摯に応えることはもちろんですが、お客様にも後々悔やまれることがないよう家造りの知識を持ってほしいのです。

デザインだけでなく「住宅の性能」にも目を向ける

あなたが考える「理想の家」とはどんなものでしょうか。吹き抜けのあるリビング、機能的なキッチン、子どもとペットが遊べる広い庭。ご夫婦ふたりだけでの暮らしを楽しむ家や、安心して子育てができる家、大勢の友達が集う家・・・。

 

人によって「理想の家」というのは千差万別ですが、自分の家を建てると考えたとき、間取りやデザインからイメージする方は多いでしょう。

 

しかし、一歩進んで性能面から考えた場合はどうでしょうか。実際に住んでみたら、夏は暑くて冬は寒い。梅雨に限らず湿気でじめじめし、壁の中にカビが生えやすく、柱や梁などの構造材が建てて20年もしないうちに腐ってしまう・・・。そんな家では、いくら見た目のデザインが理想的でも、住み心地のいい家とはいえません。

 

ゆったりくつろげる自分の城のはずなのに落ち着けず、シックハウス症候群で体調も悪くなり、あまり家に帰りたくない・・・。何千万円という、人生で一番高い買い物をしたのに、結果がこれではあまりにももったいないことです。

 

スタイルやデザインにかかわらず、「いい家」というものがあります。「住み心地がいい家」「家族が健康に暮らせる家」「丈夫で何十年も長持ちする家」などが考えられます。いい家を建てるためには、住宅の性能にも目を向ける必要があるのです。

本連載は、2017年2月27日刊行の書籍『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

齋藤 正臣

幻冬舎メディアコンサルティング

人生で一番大きな買い物、「マイホーム」。理想のイメージばかりが先行して、見当違いな設計に後悔したり、不本意な金額を払ったりするハメに陥らないために、まずは住宅オーダーの基本を学びましょう。「よい見積り、悪い見積…

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