真っ先にメスを入れるべきは「社長の給料」
コスト削減というと、多くの場合、蛍光灯をLEDに変えて電気代を節約したり、通信費を見直したり、と身の回りの細かな節約に目が向きがちです。
しかし、それが通用するのはスケールメリットが期待できる大企業だけ。個人事業主や従業員の少ない中小企業では、重箱の隅をつつくような節約をしたところで、あまり効果が見込めないのが実情です。
では、どこから下げるのか。中小企業のコスト削減は、大きく次の3つに集約されます。
1 社長の給料
2 オフィスの賃料
3 人件費
たとえば、家計の節約においても、安売りを求めてあちこちスーパーを巡ったところで、労力に対し、浮くのはせいぜい数十円から数百円程度でしょう。それよりも、「ムダな保険を見直す」「住宅ローンをより好条件のモノに借り換える」など、大きなところにメスを入れたほうが、費用対効果から考えても効率的です。
中小企業の場合も同様で、効果が出やすいのが上記の3つ。なかでも順番が大事で、真っ先にメスを入れるべきが社長の給料です。
安易にリストラを行えば、従業員の意欲に悪影響が…
「生活のレベルを下げたくない」とためらわれる方もいらっしゃるでしょう。
気持ちはわかりますが、儲かったら、その分を給料アップにつなげられる一方で、経営者たるもの、業績が悪ければ自らの給料を下げるのが当然です。
もし、真っ先に従業員の給料を下げたり、リストラに着手したりすると、就労意欲、モチベーションを下げてしまいます。中小企業で人を切るということは、目に見えやすい分、従業員に与えるインパクトも想像以上に大きいことを忘れてはいけません。
本来、社長の給料は年1回しか変えられませんが、業績や財務状況の悪化などいくつかの条件下では変更が認められています。
小さな節約をチマチマ続けて会社の雰囲気を暗くするよりも、最大の効果が見込める経費から削るべし。こうして、トントン状態ぐらいまでに損益状態を持っていけば、次の手も打ちやすくなるはずです。