「青色申告」にするか? 「白色申告」のままでいくか?
確定申告──その作業に重い腰を上げて取り掛かる前に、決めておかねばならないことがあります。
「青色申告」にするか。あるいは「白色申告」のままでいくか。
「ままでいくか」というのは、青色申告(かつて青色の申告用紙を使っていたことからついた名称です)にするには、「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要となり、申請書を出さない場合は、自動的に白色申告になるからです。
「10万円控除」なら、青色でも作業量はあまり多くない
「でも、青色申告って作業が複雑で難しいんでしょ?」
一般的にそんなイメージを持っている方が多いと思いますが、実は言われているほど”メンドーな奴”でもないのです。
確かに、青色申告の場合、原則として正規の簿記の原則(一般的に複式簿記)により日々の取引を記録し、申告書とともに青色申告決算書を提出しなければなりません。取引に伴って作成した帳簿や決算書、領収書などの書類も原則7年間保存する必要があります。
そう聞くと、ハードルが高いようですが、最近は会計ソフトが充実しているため、簿記の知識がなくともOK。パソコンを使えば記帳もそう難しくありません。
また、青色申告と一言でいっても、後に挙げる「青色申告特別控除」が「10万円」のケースと「65万円」のケースの二種類があります。
後者の「65万円控除」を選択する場合は複式簿記で記帳し、決算書類として「損益計算書」および「貸借対照表」の提出が求められますが、前者の場合は単式簿記に基づく簡易帳簿による記帳もOK。提出する決算書も「損益計算書」のみです。
実は法改正により平成26年4月より、売上などの収入金額や仕入れ、経費に関する帳簿記載、その書類の保存が義務付けられるようになっています。「収支内訳書」を作成し添付する必要があります。
そう、青色でも「10万円控除」ならば、白色とさほど作業量に違いはナシ。ならば、「迷ったら、青色にしておこう」が正解です。
そう申し上げるのには、青色申告には、漏れなく次に挙げるような特典が用意されているからなのです。
この話は次回に続きます。