カツラによる「頭皮の蒸れ」は薄毛の原因に
連載第9回で、湿った髪を放置すると蒸れて雑菌が繁殖する、摩擦がかかりやすいためダメージを受けやすい、とお話ししましたが、頭皮が蒸れることも髪にとってはよくありません。
頭皮が蒸れる原因としては、まず室内でもかぶりっぱなしの帽子やヘルメットなどがあります。帽子は屋外では紫外線予防の効果がありますが、室内でもかぶったままにしていると、頭皮が蒸れてしまいます。また頭皮を強く圧迫したり、髪をきつく牽引したりするようなタイプのものも、頭皮や髪にダメージを与えてしまうので避けるべきです。
さらに、薄毛に最も悪い影響を与えるのはカツラです。カツラ自体は薄毛隠しとして有効なアイテムではありますが、長くかぶり続けていると頭皮が蒸れるなどのデメリットがあるのです。
カツラには全頭部型のものから部分カツラまでさまざまなタイプがあります。中でも帽子のようにすっぽりとかぶるものは特に、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖し、炎症まで起こしてしまうことも少なくありません。これではますます薄毛が進行してしまうことになります。
また、既存の髪に編み込んで使うカツラもありますが、これはたとえ頭がかゆくても指さえ入れづらく、頭をかくこともままなりません。これでは頭皮も蒸れて、雑菌が繁殖してしまうのは当然です。
ちなみに金具のピンで既存の髪に留めて使う部分カツラや、特に若い女性に人気のエクステ、先にご紹介した人工毛を結びつける増毛法では、健康な毛にも負担がかかってしまいます。そのため、元からあった毛までが傷んで、薄毛が進行してしまう恐れがあるのです。
薄毛を隠すことで「メンタル面」にも影響が
実際、私のクリニックへも、カツラやウィッグを使ったあげく、髪が傷んでますます薄くなってしまったという患者様が見えることがあります。
薄毛を隠す目的だけでなく、ヘアスタイルを楽しむために始めたエクステであっても、「地毛が傷んだ」「毛が細くなってボロボロになった」と、私のクリニックへ駆け込んでくる女性も後を絶ちません。
さらに、薄毛を隠すアイテムを使っていると、「バレたらどうしよう」という不安や恐怖がいつも心の中にあるものです。それがストレスとなるなどメンタル面のデメリットもあります。