前回は、薄毛に関する「栄養面」での誤解について説明しました。今回は、薄毛予防の効果が期待できる「食べ物」と「生活習慣」について見ていきます。

女性の大好きな「焼肉」「スイーツ」が薄毛に効く!?

薄毛を引き起こす可能性もあるストレスを解消するために、じつは多くの女性が好む「肉」と「砂糖」が効くといわれています。

 

ひとがストレスを感じると、脳内でストレスに対抗するために、神経伝達物質である「セロトニン」と「ドーパミン」が分泌されます。これらが増加すると気分が高揚し、元気になります。

 

セロトニンはトリプトファン、ドーパミンはチロシンから生成されますが、これらはともに必須アミノ酸で、食事から摂取する必要があります。しかも、どちらも肉類のタンパク質だけに含まれるアミノ酸であり、魚介類や豆類には含まれないため、肉類から摂ることがおすすめです。

 

また、とくにトリプトファンからセロトニンを作るにはブドウ糖が不可欠。脳内にブドウ糖を最も効率よく供給できるのは「砂糖」であり、つまりスイーツ類なのです。

 

ストレスを感じているとき、「焼肉」や「スイーツ」を食べたくなるという女性も多いようですが、それは本能的に女性ホルモンの減少を察知しているからかもしれません。

肥満は薄毛に悪影響・・・「適度な運動習慣」を

一般的に「太っている人には薄毛が多い」というイメージもあるかもしれません。もちろん肥満の人すべてが薄毛であるわけではありませんが、私の経験から言っても、その傾向は強いように思います。

 

体質やカロリー過多、運動不足、肥満が原因で生じた糖尿病患者では糖代謝が正常に機能しておらず、血中のインスリン値が高くなりますが、肥満の方も、糖尿病と診断される前であっても、インスリンの効き目が悪くなり、血中のインスリン値が高くなります。インスリン値が上昇すると、肝臓での性ホルモン結合タンパク(Sex hormone-bindingglobulin、以下SHBG)の生成が抑制されます。

 

一方、血液中のテストステロン(男性ホルモン)はSHBGとなるべく結合した状態で存在しており、それと結合していないテストステロンは遊離テストステロンと呼ばれます。この遊離テストステロンが多いと、薄毛の根本的な原因となるジヒドロテストステロン(DHT)が多くなり、そのために薄毛が進行してしまうのです。

 

つまり、わかりやすく整理すると、次のような論法になります。

 

「太っている=血中インスリン値上昇=SHBG低下=SHBG結合テストステロン低下=遊離テストステロン上昇=DHT上昇=薄毛」

 

これは男性に限ったことではありません。女性にもテストステロンはありますので、女性の薄毛の論法としても言えることなのです。これが、肥満が薄毛に影響する仕組みと考えられています。

 

また、太っていると栄養が脂肪細胞のほうに多く行き渡ってしまい、髪をつくるほうにまで栄養が回らないという事態にもなりがちです。そのことも太っていると薄毛につながりやすい原因のひとつでしょう。

 

このように肥満が薄毛に影響するとなると、運動不足も間接的に薄毛につながりかねません。ちなみに私はスポーツクラブで筋トレに打ち込んでいますが、筋トレや有酸素運動は成長ホルモンの分泌を活発にするので薄毛解消に効果があると考えています。

専門医が徹底解説! 女性の薄毛解消読本

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元神 賢太

幻冬舎メディアコンサルティング

いつまでも若々しく美しくありたいと願いながら、髪の悩みに関しては「結局、歳には勝てない」とあきらめてしまう女性が多いという現実……。 「美のコンシェルジュ」として、10代から70代までと幅広い女性たちの薄毛の悩みを…

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