「貧血」が薄毛につながる!?
女性に多い健康の悩みのひとつに貧血があります。貧血は、医学的には血液中のヘモグロビン濃度、赤血球数などが減少していることを指します。
まず、血液中の赤血球が減ると、酸素運搬機能が低下するため代謝効率が悪くなり、結果的に、細胞の成長が鈍化します。毛根では髪の成長が鈍化して、結果的に薄毛になる可能性があります。
ただ、薄毛にも悩んでいる貧血患者の貧血を治療しても、薄毛のほうは改善しないという事実もあり、貧血そのものが脱毛症を起こしているかどうかは、定かではありません。そもそも貧血の人はタンパク質やビタミンなどの栄養不足であることが多いため、それが薄毛に影響しているとも考えられます。その点も注意が必要です。
薄毛に悩むなら「タバコ」は厳禁
ところで、タバコやお酒などの嗜好品は薄毛に影響するのかどうかも、気になるところです。
まず、タバコは髪の毛によくないと断言できます。喫煙は末梢血管を中心に血管を細くし、血流を低下させます。血流の断絶は細胞の死につながるため、頭皮の細胞にもよい影響はありません。また、喫煙によって女性ホルモンのエストロゲンの産生抑制も起こってしまいます。
さらに、タバコは活性酸素を生み出して、毛根を包む組織である毛包での微小な炎症を引き起こすうえ、タバコそのものに含まれている毒素が毛包の細胞を直接攻撃することもわかっています。このように、タバコの薄毛への悪影響は大。薄毛が気になるならば、喫煙の習慣はすっぱりとやめるべきです。
一方、適度なお酒は、逆に血管を拡張させる作用があるので、髪にとってはよいと言えます。特に、赤ワインはよいかもしれません。赤ワインなどに含まれるポリフェノールには、薄毛の原因とされ、加齢とともに蓄積する活性酸素を、体内から取り除いてくれる作用があるからです。
同じ理由で、大豆イソフラボンは活性酸素に対して強力な抗酸化作用を持ち、また後述するように女性ホルモンに似た働きをする、髪によいものです。
帽子や日傘による「紫外線対策」も有効
ところで、「紫外線は髪に悪い」と考え、日頃から帽子や日傘を使っている女性も多いようです。
確かに、皮膚の表皮を形成する角化細胞(ケラチノサイト)自体が紫外線に反応すると、活性酸素を出す危険性があります。その結果、ケラチノサイトに近接している毛包を含めて周囲全体で炎症と繊維化が起こり、脱毛症を引き起こすのではないかと推察されているのです。
それを考えると、外出時の帽子や日傘などで、なるべく紫外線から髪を守るようにするのは有効な手段だといえます。