何も対策を打たなければ、薄毛は進行するのみだが…
「薄毛は〝運命〟ではありません」
薄毛を自覚したとき、それを「遺伝だ」「運命だ」「加齢による定め」とあきらめてしまうのでなく、それを改善する努力をするべきです。
この連載を読んでくださっているあなたも、すでに薄毛を自覚しているか、なんとなくその兆候を感じているのではないでしょうか。
薄毛を自覚した時点で、すでに薄毛は進行しています。日頃から生活習慣に気を配ることは大切ですし、まったく薄毛でない人が正しい知識を得て生活習慣を見直すことは将来的な薄毛の予防になります。
しかし、残念ながら、薄毛に気づいた人があわてて食事など生活習慣を修正したとしても、もはや手遅れです。目に見えて髪が増えるほどの改善はほとんど見込めません。そのような場合、何も対策を打たなければ、さらに薄毛は進行するのみです。
薄毛が気になり始めたら、すぐに医療機関へ
もしも「最近、抜け毛が多くなった」と気づいたら、それが薄毛の合図です。その時点ですぐ改善に乗り出しましょう。薄毛治療はとにかく早いほうがいいのです。
特に年齢が若い人などは治療をしていて、びっくりするほど効果が出る人もいます。私自身も、自分でも驚くほど薄毛を改善し、髪を復活させることができました。それも早いうちに治療をしたのがよかったと心から思っています。
逆に、いよいよ薄毛が深刻となり、私のクリニックへ駆け込んでくる患者様も少なくありません。そういう方の髪の状態を見ると、「あと少なくとも5年早く来てほしかった!」と思うことがよくあります。
たとえば、薄毛が進むと、〝瘢痕化〟という状態になってしまうことがあります。これは細胞分裂をして毛髪を形成する毛母細胞が死滅し、頭皮がやけどのようなつるつるの状態になってしまうことをいいます。こうなると、もう髪は復活できません。
薄毛が気になり始めたら、迷わずすぐに医療機関を訪ねるべきです。生活習慣の見直し程度や、巷の薄毛ビジネスなどでは薄毛の悩みは解消できませんが、医療の力ならば多くの場合、改善することができます。それを一刻も早く始めることが最も重要なことなのです。