初心者は身近な「ドル円」での取引開始がおすすめ
最も身近で、指標や情報を入手しやすく、スプレッドも小さいのが「ドル(米ドル)」です。しかし、ほかに自身で扱いやすいと思う通貨、身近な通貨、情報を得やすい国の通貨があれば、別に「ドル」にこだわる必要はありません。その通貨で取引してみましょう。
さらにいえば、「円」にこだわる必要すらありません。円を証拠金としつつ、「ドル」対「ユーロ」の取引をすることもできます。
FXは通貨の交換をする金融取引ですから、「円とドル」「円とユーロ」「ドルとユーロ」のように、必ず2種類の通貨をセット(ペア)にして取引することになります。この通貨のセットのことを「通貨ペア」と呼びます。取引をする場合には、まずどの通貨とどの通貨をペアにするかを決める必要があります。
<はみだしコラム>ドル円の通貨ペアがFXの基本!?
2016年のイギリスのEU離脱のニュースでイギリスポンドが注目され乱高下をみせたが、基本はやはりドル円。ポンドやカナダドルなどドルや円に比べて取引の少ない通貨は、通常時でも値動きが激しいことが多く、初心者はへたをすると大きな損失を被る危険性が高い。まずは、身近なドル円で投資をはじめるのがいいだろう。
[図表1]円・ドル以外にもある!通貨ペアを選ぼう
円安予想なら「ドル買い」、円高予想なら「ドル売り」
わかりやすいようにここでは「ドル円」を通貨ペアとして話を進めていきましょう。FXでは、買いからでも売りからでもスタートすることができることはすでにお話ししたとおりです。
買いから入るにしても、売りから入るにしても、最初の取引をしてその取引したものを所有している状態のことを「ポジションを持つ」と呼びます。買いから入った場合は、「買いポジション」、売りから入った場合は「売りポジション」を持つと呼びます。
現状が「円高ドル安」で今後は「円安ドル高」になると予測した場合は「ドルを買う」発注をし、逆の場合は「ドルを売る」発注をします。「ドルを買う」発注をして、その注文が約定(取引が成立すること)すれば「買いポジション」を持つことになり、「ドルを売る」発注をして約定すれば「売りポジション」を持つことになります。
[図表2]円安円高どちらでも利益が狙えるFX
損得は「手放すタイミング」で決まる
では、ある程度資金(証拠金)に余裕がある(=レバレッジは低めに抑えている)ことを前提として、実際にドル円の買いポジションを持ったとしましょう。
取引開始時点では、たとえ為替相場が予測と逆に動いたとしても、その時点では「含み損」を抱えているだけで、実際には損失は出ていません。最終的に損をするか得をするかは、すべて「持っているポジションを手放すタイミング」(買いポジションを持っているなら売るタイミング、売りポジションなら買い戻すタイミング)で決まります。
では、どのタイミングでポジションを手放せばいいのでしょうか。基本は「損小利大」、つまり「損失はできるだけ小さく、利益はできるだけ大きく」ということです。
しかし、どこが損失の最小値か、どこが利益の最大値かは誰にもわかりません。わからないなかで、ある程度、予測を立てて、できるだけ理想的な「損小利大」に近付けるのが、FXで利益を出すためのポイントなのです。
ただし、必勝マニュアルのようなものはありません。資金的な余力(損失にどこまで耐えられるか)や利益をどこまで狙うかによって、戦略が変わるからです。したがって、一定のルールを決めて、そのルールに忠実に、ぶれることなく取引するのが、FX取引での必勝法となるのです。
<はみだしコラム>買いポジションと売りポジション
金融取引でのポジションとは、単純にいえば売買を行ったが決済をしていないものいう。買いを「ロングポジション」、売りを「ショートポジション」ともいうが、なぜ売りをロング、買いをショートなのかは、明確な由来はないといわれている。