前回は、「グローバルな分散投資」でリスクを抑えられる理由を説明しました。今回は、インターネット専用ファンド「iTrust」で、機関投資家向けの情報が個人でも手に入る仕組みを紹介します。

インデックスファンドより高いリターンを狙う!
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ファンド比較の手がかりは「コストの低さ」だけ!?

2016年2月19日、ピクテは日本で初めてのインターネット専用アクティブファンドシリーズ「iTrust(アイトラスト)」の運用を開始しました(リスクと費用については本書籍『211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』)。私が特に強調したいのは、アクティブ運用のファンドシリーズであるということです。

 

日本では5000本以上の公募投信が運用されており、その中の多くのファンドがインターネットを通じて購入できます。しかし個人投資家の長期投資に適した真に良質のファンドを選ぶことは容易ではありません。唯一、比較の手がかりとなっているのはインデックスファンドの運用コスト(信託報酬)の低さだけと言える状況です。

 

アクティブファンドとインデックスファンドというのは、投資信託の種類のことで、端的に言えば、組み入れる株式を「選別するかしないか」という違いです。先に述べたピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは、安定的な値動きを実現するために、「世界の公益企業」のうち優良と考える「高配当」の株式を選別し、投資しています。これがまさにアクティブファンドです。

 

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一方、インデックスファンドはその選別作業をせず、日経平均やTOPIXといった第三者機関が発表する指数(インデックス)と同じ値動きをするように運用する投資信託です。選ぶ手間をかけない分、信託報酬などの費用がアクティブファンドよりも一般的に低いのが特徴です。

 

私たちはセミナーなどを通じて個人投資家の皆様と向き合っているうちに、彼らは資産運用について真剣に考えていること、インターネットをよく利用していること、そして「本物志向」であることが分かってきました。

 

そうした思いはピクテの社員も共有しており、ある会議で「今、必要なファンドはインターネット専用ファンドではないか」という発言がありました。債券の利回りが世界的に低下し、期待される投資収益率も下落している状況では、ファンドを保有する際にかかるコストを下げることが求められているのではないかというわけです。

 

コストを下げるためにはインターネット専用であることが必要になります。金融機関の店頭で担当者がファンドの説明を行う対面販売は今後も重要なチャネルですが、担当者が対応してアドバイスを行うとコストがかかります。インターネット販売であれば人件費や販売関連資料の印刷費などを削減できるため、ファンドの質や情報の量を保ちながらコストを抑えることが可能です。

 

そこで私自身がネットで購入する場合、どんなファンドなら満足できるのかを突き詰めて考えていきました。

 

まず、コストが低ければ満足度は高いといえます。しかし、それだけでは足りません。市場平均に対して超過収益が見込まれるアクティブファンドを見つけることができれば、さらに高い満足感が得られます。ただ、良質なアクティブファンドを選ぶには、ファンドの性格や投資哲学を十分に理解することが重要です。

 

ピクテにはしっかりとした哲学を持ち、優れた運用実績を残しているアクティブファンドが多く存在します。これらの優れた実績があるファンドをインターネット専用の低コストのファンドとして提供し、私たち運用会社がメーカーとして水準の高い情報を提供すれば、投資家は満足できるのではないか。そう考えて「iTrust」では、私自身が久しぶりに商品開発の指揮を取り、総監修を行いました。

インターネット専用ファンド「iTrust」の誕生

私は「世界経済はこれからも成長を続ける」と信じています。「iTrust」が形になる5年前から信託報酬が0・8%台の世界株式のアクティブファンドをつくりたいと考えていました。それがインターネットに馴染む個人投資家が増えてきたという実感を得て、一気に形になりました。「iTrust世界株式」の信託報酬率は1%を切る0・89%(税抜)を実現しています。

 

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しかし安いだけではありません。「iTrust」には、金融機関などプロの機関投資家が知る「雲上の世界」、市場平均を上回る超過収益を個人投資家にも体験してもらいたいという思いをこめています。情報提供に関しても、従来は公開していなかった、機関投資家向けのような高水準のものも惜しげなく提供します。

 

繰り返しますが、「iTrust世界株式」は0・89%(税抜)という低い信託報酬率を実現したインターネット専用ファンドですが、指数への連動を目指すインデックスファンドではありません。投資魅力の高い銘柄に厳選投資するアクティブファンドシリーズです。2月には第1弾として「iTrust世界株式」「iTrustバイオ」「iTrustロボ」の3つのファンドを設定しました(リスクと費用については本書籍『211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』)。

 

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本連載は、2016年10月31日刊行の書籍『211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

211年の歴史が生んだ ピクテ式投資セオリー

211年の歴史が生んだ ピクテ式投資セオリー

萩野 琢英

幻冬舎メディアコンサルティング

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