今回は、「住宅資金贈与の特例」について見ていきます。※本連載では、税理士法人チェスター監修、株式会社エッサム編集協力、円満相続を応援する税理士の会著、『相続税の疑問がすっきり! わかる本』(あさ出版)から一部を抜粋し、不動産オーナーのための「相続税の節税」に関する基礎知識を解説します。

限度額が異なる「質の高い住宅」と「それ以外の住宅」

住宅を購入する、または増改築する目的で資金の贈与を受けたとき、それが直系尊属(父母や祖父母等)からの贈与であれば、一定額まで贈与税が非課税になる特例があります。住宅購入等のときにしか適用されませんが、高額な資金を非課税で贈与できるため、相続税対策として有効に活用することができます。

 

この制度は平成26年12月31日で終了する予定でしたが、平成27年度の税制改正において、適用期限が平成31年6月30日まで延長されました。

 

また、非課税の限度額は平成24年度1000万円、平成25年度700万円、平成26 年度500万円と年々減少していましたが、最大3000万円まで拡充されました。

 

この特例では「質の高い住宅」と「それ以外の住宅」で、限度額が異なります。

 

質の高い住宅とは、次のいずれかの性能を満たす住宅のことです。

 

1 省エネルギー性が高い住宅(断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4)

2 耐震性の高い住宅(耐震等級2以上または免震建築物)

3 バリアフリー性の高い住宅(高齢者等配慮対策等級3以上)

 

平成27年1月から12月末までは、質の高い住宅は1500万円、それ以外の住宅は1000万円の限度額が設定されています。平成28年の1月から9月末までは、消費税10%増税前の駆け込み需要が見込まれるため、どちらの住宅も限度額が引き下げられますが、平成28年10月以降、消費税10%増税直後に住宅を購入した人には、質の高い住宅なら3000万円、それ以外の住宅でも2500万円まで非課税限度額が上がります。その後、段階的に引き下げられ、平成31年6月には、質の高い住宅で1200万円、それ以外の住宅で700万円になります。

 

[図表] 贈与非課税枠の限度額

【特例を受けられる人の要件】

●受贈者の年齢が、贈与を受けた年の1月1日において満20歳以上であること

●受贈者の年間所得が2000万円以下であること

●贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅を取得し、居住すること(または居住することが確実と見込まれること)

 

【特例を受けられる住宅の要件】

①新築または取得の場合

②増改築時

特例を受けるためのさまざまな用件

【特例を受けられる人の要件】

●受贈者の年齢が、贈与を受けた年の1月1日において満20歳以上であること

●受贈者の年間所得が2000万円以下であること

●贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅を取得し、居住すること(または居住することが確実と見込まれること)

 

【特例を受けられる住宅の要件】

(1)新築または取得の場合

次のすべての要件を満たす住宅である必要があります。

 

1. 登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下、かつ床面積の2分の1以上が受贈者の居住の用に供されるものであること

 

2. 次のいずれかに該当する住宅であること(中古の場合)

●取得日前20年以内(耐火建築物の場合25年以内)に建築されたもの

●地震に対する安全性を「耐震基準適合証明書」または「住宅性能評価書の写し」等で証明されているもの

 

(2)増改築の場合

(省エネ改修工事、バリアフリー改修工事、給排水管工事などを含む)

次のすべての要件を満たす住宅である必要があります。

 

1.住宅の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下、かつ床面積の2分の1以上が受贈者の居住の用に供されること

2. すでに居住している住宅にかかわる工事で、一定の工事に該当することについて「確認済証」「検査済証」「増改築等工事証明書」により証明されたものであること

3.増改築の工事に要した費用の額が100万円以上であること

 

【申告に必要な書類について】

●戸籍の謄本:贈与者と受贈者の関係を明らかにする

●住民票の写し:居住の事実を確認する

●新築や取得の契約書の写しおよび登記事項証明書:受贈者が住宅を取得したことを確認する

 

この制度は、単独で使うことも、相続時精算課税制度と組み合わせて使うことも可能です。また相続が発生した際、3年以内であっても相続財産に計上されません。

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    本連載は、2015年9月16日刊行の書籍『相続税の疑問がすっきり! わかる本』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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