今回は、土地の「分筆」によって節税効果が得られるケースについて見ていきます。※本連載では、税理士法人チェスター監修、株式会社エッサム編集協力、円満相続を応援する税理士の会著、『相続税の疑問がすっきり! わかる本』(あさ出版)から一部を抜粋し、不動産オーナーのための「相続税の節税」に関する基礎知識を解説します。

評価の減額が大きい「広大地」として判定されるには?

不動産は最も大きな遺産であると同時に、分割することで高い節税効果が期待できる財産でもあります。

 

「登記簿上1つの土地」を「登記簿上2つの土地」に分けることを、分筆といいます。

 

チャプター1(書籍参照)で述べたように、土地は形状や間口の広さ、奥行き、接している道路などによって評価が変わります。細い敷地で道路に接する「旗竿地」を作ったり、角地を分筆して「角地」と「普通の土地」に分けるといった分筆を行うと、その土地の評価を下げることができます。

 

なかでも減額が大きいのは「広大地」です。広大地として認められた土地は、約40%〜65%もの減額を受けることができます。

 

広大地として判定されるには、次のような要件を満たす必要があります。

 

1 周辺の土地に比べて著しく地積が広大である土地

2 中高層集合住宅等の敷地用地に適していない土地

3 開発行為を行おうとした場合、道路等の公共公益的施設用地の負担が必要な土地

 

また、3の「道路等の公共公益的施設用地」が必要であると判断される目安として、次のような条件が挙げられます。

 

●複数の道路に面していないこと

●間口が狭く、奥行が長いこと

●区画割りを想定した場合に開発道路のみに面する画地が3以上あること

 

これらの条件を満たすように土地を分筆することができれば、大きな節税効果が得られます。

 

たとえば、駐車場として利用している1000㎡の土地があるとします。路線価は10万円/㎡であり、そのままでは広大地に該当しないため、評価額は約1億円です。

 

これをA地とB地に分筆します。不動産鑑定士に依頼して、A地が「周辺の土地に比べて著しく地積が広大」であり「開発道路が必要な土地」になるように分けたところ、A地が760㎡、B地が240㎡になりました。

 

結果、広大地補正が適用される地はA約4270万円、B地は2400万円になり、評価額が3330万円減額、さらに約133万円の節税が実現することになります。

 

自分の土地が広大地に該当するか、どうすれば広大地になるかは、専門家に相談してみましょう。

 

【図表1】 土地を分筆して節税する

 

「居住用財産」を取得する人物を指定すると…

被相続人と同居していた相続人がいる場合、その人物が住居を取得するよう指定することで「小規模宅地の特例」または「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除」によって、税金を大幅に減らすことができます。

 

「小規模宅地の特例」は、被相続人と同居していた家族がそのまま住み続けることができるよう、宅地の評価額が330㎡まで80%減額される制度です。この特例を受けることができる相続人は「配偶者」「被相続人と同居しており、相続税の申告期限までその宅地を保有して居住している相続人」です。また、被相続人と同居していた法定相続人および配偶者がいない場合は「相続税の申告期限までその宅地を保有している、借家住まいの親族」も適用されます。

 

一方、被相続人と同居していたものの、換価分割のために不動産を売却することが予想される場合は、相続税だけでなく、譲渡所得に対して課せられる所得税も考慮しなければなりません。

 

そこで有効になるのが「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除」です。日常的に住んでいた不動産を売却する場合は、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3000万円まで控除される特例が適用されます。

 

被相続人と同居していた相続人がいる場合、居住用財産を取得する人物を指定することで、宅地の評価額を下げたり、譲渡所得の控除を受けることができるようになります。

 

自分の死後、その住宅には誰が住み続けるのか。または売却されるとしたら、誰に譲れば税金の負担が軽減されるのか。しっかりと見極めておく必要があります。

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    本連載は、2015年9月16日刊行の書籍『相続税の疑問がすっきり! わかる本』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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