初期の節税効果が高い「元利均等返済」
銀行から融資を受ける際に、何も言わなければ、たいてい元利均等返済を選択してしまっています。
元利均等返済とは、毎月一定額の返済で、当初、元金はあまり減らず、利息ばかり支払う返済方法です。
この方法のよさは、当初、利息をたくさん払うので、投資初期に元金均等返済よりも会計上経費として多く計上できるところです(初期の節税効果が高いといえます)。
元金の減りは少ないのですが、当初は元金と利息合計の支払いが少なくてすむので、転売事業者などの長期保有を前提としない投資家であれば、運用中の手残りが元金均等返済よりも増え、運用中のリスクが少ないといえます。
手残りが増えるので、運用中の空室増、賃料減などに対応することが可能となるからです。
しかし、元金の減りが遅いため、損益分岐点(融資残高+自己資金+仲介手数料)が高くなります。短期で売却をする際には、注意が必要です。
長期保有を前提とする場合は「元金均等返済」がベスト
一方、元金均等返済は、元金を毎月一定額返済する方法です。
元金の減りは、元利均等返済よりも早く進みますが、当初は元金と利息の合計支払額は、元利均等返済よりも多くなります。
融資期間、金利によりますが、金利4.5%、期間25年だとすると、約11年目以降から、元金均等返済の方が元金と利息の合計支払額が少なくなっていきます。期間が経過すればするほど、元金と利息の合計支払額が減っていくのです。
つまり、収益物件の保有期間が経過すればするほど、賃料収入が減少していくことや修繕費が増加するというリスクを軽減することができます。
長期保有を前提とする場合には、こちらを選択するのがベストです。
物件の購入当初は賃料収入などを予測するのは容易であるものの、5年後、10年後の予測は難しいため、経過年数がたてばたつほど、元金と利息の合計支払額が減る元金均等返済は、よりリスクが少ないといえます。
融資残高が早いスピードで減っていくので、売却時に売却価格を下げても残債を返済できる余地が増えます。つまり、何らかの理由で物件の資産価値が下落しても対応する余力ができるということです。
ただし、銀行によっては、選択できないところもあるので、やむをえず希望通りの返済方法にならなくても、投資したほうがいい場合もあります。