自分のことは自分でできる、したくなる「住まい」
面積18㎡ぎりぎりの広さや介護型が増え続けているサ高住。私たちは「今の一般的なサ高住は、本当にシルバー世代が求めている住まいなのだろうか?」という疑問を抱き続けてきました。
そこで開発を進めているのが、シルバー世代がいくつになっても自立し、自分らしく生きていくためのサ高住「グランドマスト」シリーズです。
「がんばらない介護生活を考える会」の代表委員を務める鎌田實医師は、シルバー世代の理想とする住まいの条件について次のように述べています。
「しがらみがなくなった時期だからこそ自分のことは自分で決めることで、自分自身を肯定することができるようになります。そのために住まいは、好きなときに好きなことができる自由が守られていることが必要です」
「人間は元来行動することで元気になる生き物です。勇気を出して行動に移してください」
年を取ったことだけを理由に自分のことを自分でしない生活を続けると、心身の機能が低下し本当に動けなくなる可能性が高まります。これを「生活不活発病」と呼び、最近は問題視されているのです。
私たちのサ高住は、「自分のことは自分でできる住まい、したくなる住まい」を目指します。
おもな特徴を簡単にまとめると次のようになります。
●都会の立地
すべての物件が首都圏であれば国道16号線のほぼ内側、京都・大阪・兵庫、名古屋といった都市部周辺。近隣に充実した介護・医療・商業施設があり、安心と楽しみを享受できます。
●広い専有部分
専有部分は40㎡台・50㎡台が中心で夫婦向けに70㎡以上の物件もあります。
●自由
食事や入浴などの生活時間に制限はありません。またプライバシーの保護を大切にしています。
●安心
各戸に複数設置されたボタンを押すだけでスタッフや警備員がかけつけます。また、生活センサーも設置し、在宅時に長時間反応がなければかけつけます。
●バランスが良く規則正しい食事
希望すれば毎日朝晩のバランスの取れた手づくりの温かい食事を提供します。バランスの取れた食事は健康維持の大前提です。また、気の合う人たちと食事をともにすることで会話が弾みます。
楽しい会話は幸福感の源となります。グランドマストでは、1月はおせち料理、2月は恵方巻といったように季節ごとの行事食も提供しています。
そのほかにも骨密度計測会やiPad(タブレット端末)教室など様々なイベントの開催といった特徴があります。
入居者を要介護者ではなく「お客様」として扱う
しかし、私たちが特に心がけていることは、スタッフが入居者であるシルバー世代に“お客様”として接していることです。
サ高住のなかには、スタッフが入居者に対してまるで子どものように接するところがあります。私が特に気になるのは口調です。入居者に「○○さん、大丈夫~?」「だめよ、そんなことしちゃ~」といった言葉をよく耳にします。なかには入居者を「○○ちゃん」と呼ぶところもあります。
こうした対応は、たとえばホテルやデパートではあり得ないことです。しかし、サ高住に限らず高齢者施設ではときに見かけます。
言っている本人は、親しみの気持ちから発しているのでしょうが、言われたシルバー世代の人たちに聞くと、ほとんどはプライドが傷ついたと話しています。でも多くの人は文句があっても我慢してしまう・・・。
このような口調をはじめとするスタッフの接遇が、常に「介護」の気配を漂わせてしまいます。シルバー世代の多くは介護の雰囲気を嫌うものです。皆さんは介護を必要としていないのですから、なおさらではないでしょうか。
言葉の乱れは、入居者とスタッフの垣根をあやふやなものにしてしまう。そうした細かい部分に表れた「姿勢」こそが、ひいては虐待につながってしまうと指摘する専門家もいます。
私たちのサ高住は、自分のことは自分でできる・したい大人が暮らす「住まい」です。けっして介護施設ではありません。
したがって、スタッフは言葉づかいなどの細かい部分にこそ細心の注意をはらい、入居者を“お客様”として接することを徹底しています。
また、現役時代はバリバリと仕事をこなし現在も元気に動き回っている人でも、これから年を取って日常生活が少し不安になったときは介護施設へ入るしかない、と思い込んでいる方が多くいます。そうした人たちに、今の自宅以上に上質な暮らしを提供することが、私たちの使命だと考えています。
そのための取り組みの一つが常駐(日中)スタッフの役割です。
サ高住は、安否確認と生活相談サービスを提供するスタッフの常駐(日中)が義務づけられています。当然グランドマストにも、その業務を行うスタッフがいます。ただし、単なる相談員という位置づけではありません。私たちは次にあげるスタッフで、入居者の健康で自分らしい生き方をバックアップしています。