ホテルのコンシェルジュのように…
私たちの言うリビングアテンダーとは、ホテルで言うコンシェルジュのような業務も受け持つスタッフです。ホテルのコンシェルジュは「服をクリーニングしてほしい」「近くにおいしいお寿司屋さんはないか」といった宿泊客の多種多様な相談や要望に応えるのが仕事。顧客満足度アップに貢献します。
最近ではその重要性からホテルだけでなく、百貨店、観光案内所、駅、高級マンションなどでも導入されています。
グランドマストでは各施設にリビングアテンダーのカウンターを設け、クリーニングや宅配便の取り次ぎなどを行います。リビングアテンダーによってワンランク上の生活が実現できるのです。
さらに「身体の調子がすぐれない」「入居者とのコミュニケーションがうまくとれない」といったシルバー世代ならではの困りごとに対応するのもリビングアテンダーです。
同スタッフは、日常生活を楽しく、豊かにするためのお手伝いを行います。そのうえで入居者自身も気づいていない困りごとや不安にも寄り添うよう努めています。
これらを実現するために日々行っているのは、とにかく入居者一人ひとりと会話をすること。テレビの調子が悪いといったことから株式相場の話題まで、どのような話でも聞きます。
シルバー世代は人によって必要とする相手が違うものです。趣味仲間、習い事の先生、ケアマネジャー。一人ひとりのニーズに合わせ最適な相手を紹介します。
入居者に「ホテルのようなおもてなし」を提供
また、リビングアテンダーは、介護施設のような雰囲気を出すことを極力避けています。
グランドマストのフロントに立つ人間である以上は、しっかりとほかとは違うワンランク上の空間=ラグジュアリー感を演出できるようにしなければならない、これこそが、自分たちの使命だと考えているからです。それで報酬をいただいている。この考えはまさにサービス業。ホテルのスタッフと同じです。
そうしたサービスの一つとして、施設のエントランスでもよくアロマをたいています。このような演出は、絶対に必要なことではないでしょう。しかし、このようなプラスアルファのサービスこそが、入居者にラグジュアリー感を体感してもらえるポイントだと考えています。
グランドマストは、スタッフを単なる相談員ではなくリビングアテンダーとすることで、入居者へホテルのような「おもてなし」のサービスを提供しています。
とはいえ、グランドマストには、ほかの多くのサ高住のように介護施設や医療施設の併設は基本的にはありません。建物のなかに入っても、介護を連想させる設備はほとんど見当たらないので、一般的なマンションとの違いが分からない人がほとんどでしょう。
前出の松岡先生は、グランドマストを見学いただいたときに「介護色を感じさせない“すっぴん住宅”ですね」とおっしゃいました。
この言葉を聞いて私は我が意を得たりと思いました。
私たちが提供するのは、シルバー世代が安心して快適に暮らせるための住まいです。プラスアルファで必要なものは人それぞれ。こちらから押し付けるのはありがた迷惑のはずです。
介護や医療が必要ならば、地域の複数の選択肢から自分に最適なものを選べばいいのです。選んでも自分に合わなければ、また選び直せばいい。元気なシルバー世代には、こういった多様な選択肢があることが重要なのではないでしょうか。