前回に引き続き、シルバー世代が生き生きと暮らせる「交流型住宅」の例を見ていきましょう。今回は、横浜浅間町の交流型住宅を紹介します。

広く確保された交流スペースが、老若男女の憩いの場に

<グランドマスト横浜浅間町>

 

グランドマスト横浜浅間町の特徴は、地域コミュニティの場を提供すること。以前からほかの物件でも、町内会のお祭りでお神輿が通るときに、敷地を休憩所として開放するといった形で地域とのコミニュケーションを取ってきましたが、同物件はそれをさらに発展させようと計画しました。

 

敷地はもともと横浜市のもので、企画内容を審査することが前提の公募売却でした。結果は8社中1位。得点は100点満点中80点と、2位の75点、3位の74.5点を引き離すことができました。

 

審査講評ではこのようにコメントされています(一部抜粋)。

 

「合計点で最高点を獲得した応募者の提案は、計画全体のバランスがとれたものであり、交流スペースの使い方が特に優れていました」

 

「具体的には、該当地(総合福祉センター跡地)が長年地域に利用され、親しまれてきた経緯を調べたうえで、大きく確保した交流スペースで地域利用に供する様々な機能を設ける提案となっており、コミュニティハウスと連携しながら、高齢者向け住宅の入居者も含めた地域の交流等に寄与することができます」

子世代からシルバー世代まで楽しめる多目的施設

では、実際にどのようなつくりになっているか説明しましょう。

 

まず、1階の交流スペース「おひさまプラザ」は、入居者や地域住民など多世代の方々が利用できる多目的交流スペースとして、おもに3つのスペースに分かれています。ダンス、体操教室などを行える「アクティブスペース」、母親と子どもが一緒にサークル活動を行えるキッズコーナーや授乳室が隣接している「カルチャースペース」、そして料理教室なども楽しめる「キッチンスペース」です。

 

これらのスペースでは、地域活動をバックアップする横浜市浅間台地域ケアプラザの各種講座やイベントも実施しています。

 

また、ランチやカフェも楽しめる「おひさまカフェ」が併設されており、仲間とのおしゃべりや、ほっと一息つけるコーヒーブレイクなど、ゆっくり過ごせる空間を提供しています。

 

「おひさまプラザ」の管理業務は、私たちのグループ企業である積和不動産が行い、各講座やイベント内容は随時入居者へお知らせするようになっています。

 

2階は「横浜市浅間コミュニティハウス」です。前身の「西区青少年図書館」を引き継ぎ、約2万8000冊の様々な種類の蔵書を持ち、学習室、会議室、ロビー(地域活動ギャラリー)などが併設されており、老若男女問わず交流の場として有効活用できます。

 

高齢者向け住宅の入居者は、住人同士のみの交流になりがちです。しかし、それでは視野が広がりません。このような地域社会に開かれたサ高住が今後どのようなコミュニティを生み出していくのか楽しみです。

 

[図表]グランドマスト横浜浅間町

 

●物件概要
建物完成 2016年7月

 

●所在地
神奈川県横浜市西区

 

●交通
相模鉄道本線「天王町」駅徒歩約9分

JR線「横浜」駅西口「11」のりば(202系統)

「浅間町車庫前」行バスまたは循環外回り「横浜駅西口」行きバス 7分

「 浅間町車庫前」停留所下車徒歩2分

 

●総戸数
76戸

 

●構造及び階数
鉄筋コンクリート造地上10階建て

 

●専有面積
45.15㎡~ 77.29㎡

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