現在は「融資」を受けやすい時代
法人設立の特徴やそのノウハウを知った3人。難しいながらも、そのメリットを十分知った上で、いよいよ不動産を使った資産形成術である「不動産投資」について学んでいく。
不動産投資とは、どのような投資なのか。株式投資やFXとの違いは何なのか。不動産投資が他の投資と違っている点やメリット、なぜ資産形成に向いているかを神山講師が解説する。
神山:さて、この講義では「不動産投資」についてお話ししましょう。
不動産投資が他の投資と比べて優れているのはレバレッジを利かせられることです。融資さえ受けられれば少額からでも投資ができます。株やFXに銀行は融資をしてくれませんが、不動産にはお金を出してくれます。それは担保がしっかりしているからです。
ヨシト:担保というのは、不動産の資産価値に対してお金を貸してくれるということでしょうか?
神山:大きくいえば、その通りです。細かくいえば、不動産の価値を計算するにはいくつかの方法があります。それぞれの金融機関によって評価が変わり、融資額や融資条件も変わります。
ジュン:第2講の税務の講義で、法人としての実績が大切だと聞きましたが、これはどのように関わるのですか?
神山:簡単にいえば、金融機関はどんな人(会社)に貸すのか、どんな物件に貸すのかの2側面で判断しているということです。
この融資というものは時代によって受けやすい時代と、受けにくい時代があります。今はアベノミクスからマイナス金利の流れがあり、非常に融資を受けやすい時代といえます。
自営業はまず「申告所得」をチェックされる
タカ:経済の状況も関わってくるのですね。
神山:その通りです。今の時代は、投資用のアパートを買うことについても、まるで住宅ローンを借りるような流れで、お金を借りることができます。自営業者であっても、簡単ではありませんが、ある程度のセオリーがあれば借りられるものです。
ジュン:では今がチャンスということですね!
神山:そうですが、いいことだけではありません。融資が受けやすい……つまり資金調達が容易ということで、不動産投資家が増えています。そして、買える人が増えることで、物件価格が上がっています。要は需要と供給のバランスで、供給に比べて需要が増えているのです。
ヨシト:もし、融資が受けにくい状況になったらどうなるのでしょう?
神山:買える人が減ることで物件があまり、値段が下がっていくと思います。それでも、ある程度の現金があれば、融資は受けやすくなります。
タカ:僕たちが不動産投資を行うのであれば、どのような手順になりますか。
神山:自営業ということで、まずは申告所得がチェックされます。これまでの確定申告書が、できれば3期分必要です。大前提として赤字ではいけません。ある程度は申告所得を出しておくことが条件です。
最初に投資物件を買うときは、申告所得の何倍といった基準で見るからです。金融機関によっては物件ありきで見るところもあるのですが、自営業者については売リ上げ、すなわち収入と経費をチェックされます。
経費をごまかしたり、所得を少なく申告すると、銀行の信用を失いますので、その点は十分に注意してください。