「免許番号」の数字はあまりあてにならない!?
神山:業者さんを信頼できるポイントは「免許番号」を見て判断しましょう、というのがあります。5年に一度更新していくので、長く営業している業者は免許の番号の数字が多くなります。
古い番号だと古い体質の業者が多く、「素人がアパートを買うなんて!」と止められた話も聞きます。不動産投資が地主や資産家だけでなく、サラリーマンにも流行しだしたのは、この10年ぐらいのことですから。業界としては若いのです。
タカ:そんなものなのですね。
神山:現状で収益物件を取り扱っているような会社は、新しい業者が主流ですから、免許番号はあくまで信頼の目安程度でしょう。私自身もそうですが、業界歴は長く、不動産を10年、20年と取り扱ってきたキャリアのある人間であっても、独立したのが昨年であれば、免許の番号は(1)です。
つまり番号が若くても、十分経験を積んでいるプロがたくさんいるわけです。つまり免許番号はそんなに当てになりません。
地方の不動産会社であれば、番号の数字が多いとその土地で長年やってきたという証拠にもなります。でも、不動産業界は離職率の高い業界でもありますし、そういった老舗店でも担当が経験不足の新人営業マンであれば意味がありません。
どちらにしても収益物件の場合は、取り扱う場所も広いことが多く、同じ地域で長く営業していることは、さしてプラスにはならないです。その点、マイホームとは性質が違うのです。
ジュン:そういった基準があることすら知りませんでした。
やっぱり重要な「気が合う」かどうか
神山:では、どうやって信頼できる業者だと判断すればいいのかといえば、減点法ではないですが、悪いところを見つけていったほうが早いのかと思います。
できもしないことを安請け合いする業者さんは良くないです。例えば、欲しい物件の条件を言ったときに、実際、利回り10%物件はなかなかないと思います。それを、いかにもすぐ購入できるような、あまり調子がいい人はちょっとどうかなという気がします。
ヨシト:たしかに、堅実な会社だったらあまり調子がいいことは言いません。
神山:私の感覚でいうと、気が合うかどうかも大切なポイントだと思います。波長が合わない、ちょっと違うな……と思うときはあまり深入りしないことです。
不動産業者さんもピンからキリまであります。営業成績の優秀な人ほど幅を利かせます。しかし、新築の区分マンション業者ではありませんが、知識が乏しくても単純にマニュアルだけで売っている業者さんが大勢います。
そういった意味では、不動産の中でも収益物件の取り扱いに慣れている業者さんのほうがいいと思います。これまで建売住宅の現場で売っていた営業マンが、急に会社の方針で、「収益物件の仲介をやれ!」という命令を受けて、知識がないまま営業をしているケースもありますから。
ヨシト:騙されそうで怖いです。
神山:収益物件の取り扱いを長くやっているのか、その辺りの実績は確認しておくべきでしょう。いくら経験豊富でもそれがマイホームであれば、それはあまり役に立ちません。そのような実績なども重視したほうがいいです。その上で「信用できるな!」と思ったら、いろんなことを質問したり、相談をするのが好ましいです。
タカ:いろいろ聞きたいことがあります。
神山:いずれにせよ、ある程度の個人情報を出さなければ、自分にはどのような物件が向いているのか選択ができません。それこそ、「預金はいくらありますか」とプライベートに立ち入ったことを聞かなくてはいけませんから。
自分が選んだ不動産業者からの情報は貴重です。不動産業者が、その人の個人情報や属性を聞いた上で、「この物件なら大丈夫だろう!」と判断して連絡をしてくるわけですから、それに対してはしっかりと向き合い、きちんと返事をすることが大事です。