不動産賃貸業の最大のメリットは、毎月の「安定収益」
本連載で説明するのは、資産形成をする上で、まず必要な「法人設立」。講師の川崎税理士から講義を受ける。ジュン・タカ・ヨシトとも毎年確定申告を行っているが、税金については詳しくない。せいぜい「税金負担は少ないほうがいい」、その程度の認識だ。
しかし、不動産で行う資産形成においては、法人設立は大きな鍵となる。というのも不動産を購入するためには、金融機関からの資金調達が欠かせないから。まずは法人について、メリットやデメリットなど設立時の注意など基本的なことを解説する。
川崎税理士(以下、川崎):スポーツ選手やお笑い芸人、ミュージシャンは、それぞれ契約環境が少し違うのかもしれませんが、自営業であることは共通しています。そして、皆さんは毎年、確定申告をしていると思います。
ジュン:はい、その通りです。
川崎:皆さんなら、個人事業主からの法人成りというのは、聞いたことがあるかもしれません。
タカ:フリーランスでやってきたデザイナーなどがオフィスを構えて会社にする・・・みたいなパターンでしょうか。
川崎:そうです。それを個人事業主からの法人成りと言います。商店や飲食店などでも同様ですが、不動産で行う資産形成ではあらかじめ法人設立することがポイントになります。
ここで、不動産で行う資産形成=不動産投資について簡単に説明します。不動産投資は「投資」とは言いますが、実際には不動産賃貸事業です。つまり「事業」なのです。
不動産投資におけるメリットは、収益物件を購入してリターンとして家賃収入が入ることです。家賃は一度に入るわけではなく、長期間にわたり、毎月入ってくるものです。初期投資は小さくありませんが、長い期間にわたって安定的な収益を得られますから、それがまず不動産投資の魅力の一つです。
さらに不動産の収益には転売益もあります。これに関しては、買うタイミングや価格も重要な要素となり、「買えば儲かる」という話ではありません。
ジュン:たしかにそうですよね。
働かなくても「不動産自身」が稼いでくれる
川崎:もう一点、魅力があるとすれば、自分が働かなくても不動産自身が稼いでくれるところです。これが最大のメリットです。
ヨシト:いわゆる「不労所得」ですね。
川崎:まさにそうです。例えば、自分で商売をやっていれば、お店を開けなければ収入は得られません。不動産投資であれば、ずっと貸付しているので、継続してリターンがあります。そこが大きいと思います。
ジュン:興味があります!
川崎:いずれにせよ本業の収入がある中で、不動産を購入して家賃収入を得ることになれば、もともとの所得にまた新たな収入がプラスされます。結局のところ、より税負担が増す・・・という結果になります。おそらく最初の購入年度にかかる税金は低くて、それからは税金が上がっていくことになるでしょう。
タカ:稼ぐ金額が大きくなれば、所得税率も高くなるわけですね。
川崎:そうです。本業である芸能活動と不動産投資で、キャッシュポイントが2つになるということが目的ですが、収入が増えることで税負担が増えてしまいます。そのためにも法人設立が欠かせません。これら法人のメリットについては、次回以降に詳しく解説しましょう。