築古物件は「大規模修繕をしてあるか」チェック
前回の続きです。
神山:あとは、築年数が古くても大規模修繕がしてあるかチェックします。アパートであれば、外壁の塗り替えや屋根の葺き替えのしてある物件が望ましいです。たとえ修繕がしていなくても、自分がやるつもりで、その工事代も算出しておきます。その上での利回り計算をするということが必要です。
投資指標で、NOIとNCFというものがあります。NOIはネット利回りの収入です。NCFとは、修繕費を加味したネット収益で、鑑定書や不動産鑑定に使われる言葉です。ある意味、ババ抜きではないですが、上手に売る人は新築から持っていて、築20年くらい経てば売り時だと判断します。そろそろ維持費や修繕費でお金がかかるときだからです。
●投資指標
・NOIネット利回り(経費を差し引いて計算した利回り)
・NCF修繕費を加味したネット収益で、鑑定書や不動産鑑定に使われる言葉
リフォーム費用・修繕費用を加味した物件選びを
神山:ある程度の規模だと足場を掛けての大規模修繕になり1000万円はかかります。そのタイミング、つまり大規模修繕する直前に売ってしまうのです。
気の利いた仲介業者だと「これ、あと2~3年以内に1000万円はかかりますよ! それも加味して利回り計算しないと、すぐ計算が崩れてしまいますよ!」と忠告してくれます。
そのようにアドバイスしてもらえる人はいいのですが、事情をよく知らない人だと「利回り8%だからいい物件ですよ!」とすすめられて買ってしまいます。その結果、エンドユーザーは1年後には雨漏りがしたり、大規模修繕の必要に迫られて困ってしまいます。
ジュン:それは困ります。
神山:物件選びの際には、必ずリフォーム費用や修繕費用を加味して考えることが大事です。
融資に厳しい銀行ともなれば、「大規模修繕してないのなら見積もりを取ってくださいね。いずれはかかりそうですから!」と、そこまで要求してきます。