前回は、ビールのおつまみには「枝豆」が最適といえる理由を説明しました。今回は、ビールと枝豆の組み合わせが定番になった理由を見ていきます。

一般家庭に冷蔵庫が普及したことで身近になったビール

では、ビールに枝豆が定番になったのはどうしてでしょう。この疑問を調べていくと、面白いことがわかりました。

 

日本初のビヤホールが誕生したのは、明治32年に銀座の「恵比寿ビール」でした。当時は西洋にならって、ラディッシュの代わりに大根のスライスを出していたそうです。ところが、これが不評だったため、その後は蕗や海老の佃煮にしたところ大いに受けたといいます。

 

昭和に入ると、いよいよビヤホールのメニューにソーセージやチーズなどのおつまみが登場しますが、まだビールの価格が高かったために大衆的な飲み物とはいえませんでした。ここでもまだ枝豆は出てきていません。

 

実は、枝豆が定番になったのは、昭和30年代の高度経済成長期なのです。一般家庭に冷蔵庫が普及したことで、ビールも爆発的に飲まれるようになりました。ビールも手頃な価格となったことで、ようやく大衆的な枝豆とセットになったそうです。つまり、枝豆は庶民の食べ物という扱いだったようです。

昭和40年代の「減反政策」で枝豆が出回るように

しかし、なぜ今日まで枝豆が、ビールの絶対的おつまみとして君臨し続けているのでしょうか。

 

これには、国内にお米が余るようになった、昭和40年代の「減反政策」があったのです。政府は、お米の生産を抑えて他の作物を作るようにと農家に求めました。この減反政策によって、栽培が容易な枝豆を作る農家が急増した結果、市場にも枝豆がたくさん出回るようになったわけです。

 

そうなれば手頃な値段で手に入る上、茹でるだけの手軽さから、どこの家庭でも枝豆をおつまみにするようになり、不動の地位を築き上げたのでした。

 

この最高のコンビは、高度経済成長期と減反政策の影響によって誕生したというわけです。それが、栄養的にも優れた組み合わせだったことが、なかなか興味深いところです。

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