今回は、ローソク足の基本的な読み方について見ていきます。※本連載は、株式アナリストとして知られる秋津学氏の著書、『勝率9割5分を目指す 株価チャート黄金練習帳』(毎日新聞出版)の中から一部を抜粋し、株式投資で勝つためのチャート分析のポイントを具体的にご紹介します。

本体で強弱を、陰陽で上げ下げの勢いを判断

陽線、陰線のタイプもその意味もいろいろあります。ここでの「意味」とは、1本のローソク足は目先の株価がどんな動きをするかを暗示する意味をもつということです。

 

ローソク足の読み方の基本の基本を学んでおきましょう。下記の図表に20種類のローソク足の形と意味が述べられていますが、まず本体の部分で「強弱」を読みます。本体が陰のローソク足ならば下げ勢いが「強」く、陽のローソク足ならば、上げ勢いが「強」い足を示唆します。

 

ローソク足は本体だけではなく、「ヒゲ」の意味も理解しなければなりません。例えば「ヒゲのない大陽線(本体の長い陽線)」は「陽の丸坊主」といいますが、続いて株価が上昇すると予測できるほど強い勢いを示します。

 

[図表]20種類のローソク足とその意味

 

ヒゲの長さによっても相場の読み方は大きく異なる

これに対して「コマ」(ヒゲが上下に長く伸び本体が短い陽線)は、たとえ上昇局面にあっても、いつ転換するかわからない「迷い」を示します。

 

上ヒゲが長いコマだと、いったん上に押し上げたものの、大量の売り物に押されて、勢いを落としたことを表します。逆に、下ヒゲが長いコマだと、いったん売りに押されたものの、大量の買いが出てかなりのところまで戻したということで、下値は買いである・・・というシグナルだと一般に判断されます。

 

むろんこうしたシグナルは出来高とともに判断すべきであって、下ヒゲの長い陰線もしくは陽線が出ても、出来高をともなっているものとそうでないものとでは、相場の強さの判定がちがいます。

 

また、ローソク足の形が天井(高値圏)近辺で出るか、底(安値圏)近辺で出るかによっても、株価の先行きを読む意味合いが異なってきます。「下ヒゲ陰線・陽線」が天井で出ると上げ相場の終焉を予想、底で出ると反対に上げ相場の開始を表すケースが多くなってきます。

 

<POINT>

陰のローソク足は売りの勢いが強く、陽のローソク足は買いの勢いが強く、ローソクの本体が大きいほど勢いが強い。ヒゲが長い場合は、それが底値圏にあるか、天井圏にあるかに注目する。十字線の出現は、相場のためらいのシグナルでトレンド転換を示唆する。

勝率9割5分を目指す 株価チャート黄金練習帳

勝率9割5分を目指す 株価チャート黄金練習帳

秋津 学

毎日新聞出版

株価チャートによる儲け原理は、株をできるだけ安値で買って、高値で売る、ということに尽きます。そのために、チャートが示唆する売買シグナルや株情報、市場の地合い、企業業績などで判断します。そして、配当やファイナンス…

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