株価がゆっくり上がった銘柄は、急に下がる!?
チャートを見ることに慣れてきたころ、必ず気づくことは、同じようなパターンがしきりと現れてくることです。たくさんのパターンをひとつひとつ覚えるのは面倒臭いし、混乱するばかりで、実践に活かせませんから、以下に、もっとも重要な4つのパターンを紹介しておきましょう。
<パターン①>上げ下げ
下記の4種の上げ・下げパターンは、いずれも上げ始めの地点から天井をつけ、もとの株価に戻る過程を表現しています。ところが、いずれも、底から天井に至る期間と、天井から底に至る期間が違います。
[図表1]株価上げ下げのパターン4
まず図Ⓐは、底から天井に至る期間が天井から落ちて底に至る期間より長い。逆に図Ⓑは、底から天井に至る期間が天井から落ちて底に至る期間より短い。時間的には図Ⓐはカラ売りに有利で、図Ⓑは買い手に有利です。
図Ⓒは、底から急激に上げ、また急激に下げ、図Ⓓは、ゆっくりと上げ、ゆっくりと下げています。図Ⓒでは売るタイミングが難しく、欲をかいて売り時を逃してしまいそうです。図Ⓓは逆に、ゆっくりと上げ、ゆっくりと下げるので、株価の節々で利確できる長所があります。
では、こうしたパターンの知識を実践にどう活かせばよいのでしょうか。
① ゆっくり上げた後崩れ始めた銘柄は、急速に崩れるので、変に値頃感で買い急ぐと、失敗する。下落の速度が、初級者には対処できないほど速いということも珍しくない。従って、素早い対応が必要だ。
② 急に上げた銘柄が崩れ始めたら、チャンスとばかりに買い急がず、観察すること。逆に「カラ売り」(実際に株を持っていないもかかわらず、一定の委託保証金を入れて株を借りて売った後、買い戻すというやり方)のチャンスを見つけやすい。
<POINT>
急に株価を上げた銘柄はゆっくり下げていき、ゆっくり株価を上げた銘柄は、急に値を崩し下げていく傾向がある。
トレンドの休養的なもみ合いが起きる「ボックス圏」
<パターン②>ボックス圏
トレンドが上に行くにしろ、下に落ちるにしろ、休養的なもみ合いを起こす(踊り場をつくる)時期があります。
このもみ合いをボックス(箱)に見立てて、その中で上限の上げで売り、下限の下げで買うという戦術が理論的には可能ですが、このようなちゃぶついたボラティリティ(株価の予想変動率)の低いボックス圏での細かい値幅取りは、勧められません。まただまし、つまり下限で買いを誘っていきなり売りを浴びせたり、逆に上限で売りを誘って買い上げたりする投資家がいて、やけどをすることもしばしばあるからです。
むしろ初級者もこのボックス圏の動きが崩れたときのタイミングを見つけて、売買に参加するほうが投資効率がよいでしょう。
ボックス圏の上限には上値抵抗線があり、これを突破すると「買い」に走り、逆に下限には下値支持線があり、これを突破されたら「売り」に走ることになります。
この抵抗・支持線がいったん突破されると、もとの株価にもどらず、株価が強い方向性をもって動いていくのは、突破された抵抗線が新しい相場では支持線の役目を果たし、逆に、突破された支持線が、今度は新しい相場では、抵抗線の役割を果たすことになるからです。
[図表2]ボックス圏
<POINT>
初級者はボックス圏のもみ合い相場で値幅取りは狙うな。狙うなら、ボックス圏を株価が放れたときである。